半身麻痺・感覚異常の寝たきりを経験した著者のデビュー小説『あたらよに うたかたの ぼくらは』電子書籍で発売
公開日:2025/12/2

株式会社22世紀アートは、『あたらよに うたかたの ぼくらは』(田中槇乃)を電子書籍で発売開始した。本作は「第二回文学レボリューション」大賞受賞作。発売直後より話題を集め、Amazonリハビリテーション医学 有料部門ランキング6位(2025年10月22日現在)にランクインした。
本書について担当者は、「自社主催の一般作家希望者様を対象とした『文学レボリューション』より作家デビューをした作家様の作品であり、ご自身の経験を病気で悩んでいる方々への支えとなる作品として残したいと闘病生活の中で執筆された作品です。健康の大切さ、家族や周囲の人間が突然病を患い不安を抱いている方へ届く作品として心の支えになる一冊として届けたいです」と語る。
病とともに生きる人へ、静かな希望を灯す物語
【作品概要】
ある日突然、麻痺のため左手足が動かなくなった僕。痛みに耐え、自分では動かせない身体に不自由を感じる現実を受け入れられず、どうしたらいいかわからなくなる。
そこにやってきたのが、見慣れない白衣を着た「イヤシヤ」。
どうやら医者ではない彼は「ご気分はいかがですか?」と尋ねて、僕の言葉をもとに助言をくれる。変わった先生だけれど、話が終わると、ちょっとだけ心が軽くなっていた。
その後もイヤシヤは、たびたび僕の前に現れる。時には夢にまで出てくるし、妙な歌を歌いながら身体を動かしたり、解放プログラムで心の内をあらわにされたり……。
そんな僕とイヤシヤを中心とした、ちょっぴり不思議であたたかい連作短編集。
【こんな人におすすめ】
・自分自身や周囲の人が、病と闘っている
・先が見えなくて不安を感じる、不安だった過去がある
・誰かの支えになりたいけれど、なにもできない自分がもどかしい
・今よりも前を向きたい、誰かに寄り添ってほしい
著者コメント
「生老病死は、誰もが人生の中で経験するテーマ。闘病中の方や支える側の方はもちろん、健康な方にも“いのちと向き合うきっかけ”として読んでいただけたら嬉しいです」
(田中さんが書籍に込めた「イヤシヤ」とは)「今まで支えてくださった方々、そして過去の自分への感謝を込めました。この本が誰かにとっての“イヤシヤ(癒やし)”のような存在になれたら」
【著者プロフィール】
田中槇乃(たなか・まきの)
表現者。徳島県生まれ。2020年、脱髄疾患(CIS)を発症。片麻痺、感覚異常のある寝たきりから回復。退院直後より後遺症の残る手を使い創作活動を始める。個展やグループ展、公募展など国内外で作品を発表。展覧会のほか、お話会や講演会などさまざまな場で活動中。2023年第二回文学レボリューション大賞受賞をきっかけに、初の小説作品『あたらよに うたかたの ぼくらは』で作家デビュー。

担当編集者のコメント
田中槇乃さんのあたたかいやさしさ、物語や自身と真剣に向き合った故の決意を受け取れる物語です。とくに読んでいただきたいのは、最終話の「見えない部屋」。こちらは「つまりイヤシヤってどういう存在なんですか?」という私の問いかけに、田中さんがアンサーとして書いてくださったものです。「イヤシヤとはなにか」だけでなく、「誰かのためになるということ」について深く考えさせられたお話は、とても印象に残っています。一話完結の連作短編集ですが、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
新時代の文学賞「文学レボリューション」から誕生
『あたらよに うたかたの ぼくらは』は、22世紀アートと志大学校が共同で開催した「文学レボリューション」大賞受賞作品で、同コンテストからの出版は二作目。
このコンテストは、「たぎる想いを、言葉に」をテーマに、経験や職業を問わず「書かずにはいられない想い」を持つ人を応援するものとなっていた。
二回の開催をもって終了したものの、文学レボリューションは「文学の万博」ともいえるエネルギーの集まりとして、現在も新しい形の創作を世に送り出している。
■書誌情報
書名:あたらよに うたかたの ぼくらは
著者:田中槇乃
発行元:株式会社22世紀アート
価格:電子書籍版 450円(税込)
ジャンル:文学作品
田中槇乃さんInstagram:https://www.instagram.com/88tanaka_makino88/
