ちいさなもみの木が家を抜け出して星を探す? 1943 年から読み継がれてきたクリスマスの心温まる物語【絵本紹介】
公開日:2025/12/22

原題『The Good Little Christmas Tree』というこの物語は、1943 年にイギリスで絵本として出版されました。その後、何度か絵をかえながら今まで読みつがれてきています。初の日本語版は、この物語を大切に想ってきた尾﨑愛子さんの平明で美しい訳文と、静謐でありながら温かみあふれる嶽まいこさんの絵でお届けします。

『ちいさなクリスマスツリー』
作:アーシュラ・モリー・ウィリアムズ
訳:尾﨑 愛子
絵:嶽 まいこ
出版社: 岩波書店
クリスマスイブ、貧しい農家のお父さんが、子どもたちのためにちいさなもみの木を見つけてきました。けれども、飾りは茶色いクッキーだけ。もみの木はこの家族をよろこばせたい一心で、きらきら光る星やおもちゃをさがしに、夜の森へとかけだします。
■ 読んでもらうなら未就学児から/自分で読むなら小学校低学年から
■ A5判変型・上製・62ページ

もみの木はえっちらおっちら夜の森をゆき、小人からダイヤモンドを、オオカミから赤いきのこを、少年から氷柱を、女の子からろうそくを、旅商人から木馬とくつを、天使たちからは星をもらいます。でもそのたびに、緑の葉や枝をあげたり、クッキーをかじらせてあげたりするのです。
小さなもみの木は、水たまりに映ったあまりにもみじめな自分の姿に、うちのめされてしまいますが……。


だれのなかにもある利他の心をそっと呼びさまし、クリスマスのよろこびと崇高さを感じさせてくれる一冊。お子さんから大人まで楽しめる、プレゼントにもぴったりの絵物語です。
