想像したことのない家ばかり!『どんな いえに すみたい?』【NEXTプラチナブック】

文芸・カルチャー

公開日:2023/3/24

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2023年2月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

ねずみのヘンリエッタは世界的に有名な建築家。設計から内装、家具のデザインまで、お客様が望む以上の仕事をするのです。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『どんな いえに すみたい?』。独創的な家が次々に登場するこの絵本、どんな内容なのでしょう。

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

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想像したことのない家ばかり!『どんな いえに すみたい?』

どんな いえに すみたい?

作:ジョージ・メンドーサ絵:ドリス・スーザン・スミス訳:木坂 涼

みどころ

ねずみのヘンリエッタは世界的に有名な建築家。設計から内装、家具のデザインまで、お客様が望む以上の仕事をするのです。

りすがお願いしたのは、ツリーハウス。ますは海の楽園のような家。いつでもどこでも寝転がれる場所がほしいとお願いしたのはねこ。地面の下に快適な部屋をいくつも設計したのは、毎日獲物を探して走りまわっているきつねのため。これならゆったりと過ごせます。

他にも驚きの家がたくさん登場します。「朝から晩まで太陽と一緒に過ごせるように」とお願いしたとかげの家の屋上には特大なサンルームが。寝転がって読書を楽しむにはうってつけです。いもむしが冬の間ずっと閉じこもっていられる「まゆのいえ」も本当に素敵!

最初に登場するのは、ヘンリエッタの仕事場。仲間のスタッフと一緒に、ここから数々の家の設計が生まれていきます。

もぐらからのお願いは、土の中ではなく地上の家。こんもりと盛り上がった土のような外見からは、想像もできないほど可愛らしい内装。ほどよく差し込む光の具合もいいですね。

それぞれの暮らし方にぴったりに設計された家は、どれも見たことのないような独創的な家ばかり。立体的で緻密に描かれた断面図、最適な部屋の配置、厳選された家具や道具類まで細部にわたって魅力的に描かれた絵はユーモアとアイデアにあふれ、いつまでも眺めていたくなります。こんな芸術的才能にあふれたヘンリエッタ自身は、どんな家を楽しんでいるのでしょう? 絵本を読んで、確かめてみてくださいね。

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編集長のおすすめポイントは……

暮らしが見える家

登場するのは、りすやもぐら、かわうそやふくろうなど、私たちの暮らしとは全く違う動物たちの家ばかり。それなのに、こんなにも具体的に家が設計され、どれもが快適な日常が想像できてしまいます。何より驚かされるのは、その暮らしが、どれもうらやましくなってしまうこと。これが建築家の仕事なのでしょうか。ヘンリエッタへの憧れの気持ちとともに、ちょっと真似してみたくなってしまうのも、この絵本の大きな魅力なのでしょうね。

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。