徳川家康に仕えた足軽の活躍がマンガ化! 歴史時代小説シリーズ『三河雑兵心得』で活躍した戦国武将たちをイラストで楽しむ
公開日:2023/4/21

戦国時代の三河を舞台に、名もなき雑兵の出世物語を描いた小説『三河雑兵心得』シリーズ(井原忠政/双葉文庫)。『この時代小説がすごい!2022年版』文庫書き下ろし部門のランキング1位にも選ばれ、累計発行部数88万部を突破した話題作だ。
NHK大河ドラマ『どうする家康』では徳川家康の天下統一までのプロセスが映像化されているが、本書の主人公・茂兵衛はその主君に仕えた足軽達のひとり。とある騒動を契機に村を出ることになった彼が、一介の足軽として血濡れた乱世をしぶとく生き抜くていく、というストーリーである。
主人公の人間味に惹かれる読者も多い。茂兵衛は腕っぷしも強く機転も利く人物ではあるのだが、痛快娯楽マンガのような派手な倒し方はしない。兜武者が相手であれば、突き刺すよりも叩いてみる。決してスマートに敵を倒すのではなく泥だらけになりながらも勝利をもぎ取る姿は、等身大のヒーローで共感できると評判だ。
本多平八郎忠勝に大久保忠世といった稀代の英傑達を、足軽視点から語っているのも本シリーズの特徴。史実で太平の世を実現した家康においては、腹黒さと愛嬌が同居する人間くさい男として描いている点が実にユニークだ。
そんな『三河雑兵心得』シリーズの紹介マンガを描いたのが、『サチコと神ねこ様』や『ゆかぴ船長』を連載する、わこ氏だ。推しは本多忠勝だという、わこ氏は「めちゃくちゃ楽しく描かせていただきました!」と語った。




『三河雑兵心得』シリーズの著者は、『うつけ屋敷の旗本大家』や『北近江合戦心得』シリーズなどの時代小説を手掛ける井原忠政氏。戦支度の仕方から槍の使い方、さらには見慣れない用語を丁寧に解説しているため情景が浮かびやすく、歴史に詳しくない人でも手に取りやすいのではないだろうか。気になった方はぜひ本書を読んでみてほしい。