呪いの井戸へ肝試しへ。ひとりずつ井戸へ向かうと「タスケテ……」と声がして、その声の主は…/意味が分かると怖い話⑩
更新日:2023/8/22
『意味が分かると怖い話』(藤白圭/河出書房新社)第10回【全10回】
一見何の変哲もない普通のストーリーのようだけれど、「何かがおかしい…」と違和感に気づいた瞬間、心も凍る!! 藤白圭さんが描く、累計40万部突破の大人気「5分シリーズ」から派生した、1分で読める新感覚ホラー短編集。日常に潜む恐怖を描いた本作を、ぜひお楽しみください。
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井戸から伸びる手
私の通う学校には井戸がある。
呪われているらしく、毎夜毎夜、その井戸から手が出てきて「助けて」と悲しい声がするそうだ。
学校の七不思議なんて、正直信じない人のほうが多い。そうなれば当然、肝試しのネタになる。友人たちと一人ずつ、井戸へ向かう。
「タスケテ……」
本当に声がした。井戸を覗き込もうとしたら、白い手が出てきた。
悲鳴を上げて手を振り払い、仲間のもとへと走った。
「ほ、本当に出たー!」
先に肝試しを終えていた皆が、「幽霊なんていねーよ」と笑うが、ふと真顔になった。
「お前の前に井戸に行った良江はどこにいった?」