富裕層に認められたいなら「女優」になれ! ティファニー社員の頂点を極めた女性が実践した理想の自分になる方法
更新日:2017/12/25

日本で「富裕層」と呼ばれる人は、何人いるかご存じですか? 日本人で金融資産を約1億円(100万ドル)持っているのは、およそ282万人。これは世界第2位の多さです。あまり知られていませんが、日本はお金持ち大国なのです。このミリオネアの心をつかむことができたなら、あなたの人生は一転するでしょう。
富裕層の人たちと関わることで人生が一転。そんな経験を持つのは、高野睦子さん。彼女は、Tiffany &co、みなさんが憧れる宝飾品ブランドのティファニーに勤め、富裕層のなかでも超VIP、「ハイエンド」顧客を担当してきました。
彼女の人生はどう変わったか。まず、ティファニーの全世界の社員9000人の中から、たった30人にのみ与えられるCLT(チャールズ・ルイス・ティファニー賞)を受賞。そして現在は、ハイエンドの方々とのコミュニケーションを広めるために、独立起業。HECハイエンドコミュニケーションという会社を立ち上げるまでになったのです。
お金持ちなんて自分には関係ない。そう思ったあなたには、別世界に触れるチャンスは訪れないでしょう。逆に、日本には282万人も富裕層がいる!っとワクワクしたあなた。あなたにはきっと富裕層と関わる機会が巡ってくるはずです。今よりもちょっと背伸びは必要かもしれません。けれど高野さんが教えてくれる数々の自分磨きの方法を試したなら、きっとチャンスに恵まれるはずです。
どうすればハイエンドの方々とつながりを持てるのか。それを高野さんが、一冊の本『超一流ハイエンドに選ばれる魔法のルール』(飛鳥新社)にまとめてくれました。本書には「なりたい自分」の姿に近づくために、自らを磨くためのヒントが詰まっています。この本を読めば、仕事も、プライベートも、そして恋愛でもハイエンドの方々と対等におつきあいができるはずです。
■信頼してもらうことが富裕層社会への入り口
高野さんは、どうやって世界中のライバルから抜きんでて、ティファニーで表彰されたのか。それは簡単な道のりではありませんでした。まず彼女は、CAに憧れて日本航空(JAL)に入社。ご存じのようにCAの入社試験は、専門のスクールがあるくらい狭き門。そこで入社前より立ち居振る舞いをハイエンド向けに改める機会がありました。入社後ももちろん同様です。
まだ新入社員だったころ、先輩からある重要なメッセージをもらいます。それは「あなたたちは常に見られている」ということ。慣れないフライトでクタクタになって帰宅しているときでも、電車のなかでだらけてはいけません。普段の振る舞いが仕事中にも必ず出てしまうからです。家にいるときから、移動中でも、美しい姿勢で人に好まれる服装をし、そしてエレガントな立ち居振る舞いをすべきであると徹底的にたたき込まれました。
そしてティファニーに入社後も、まるで映画『プラダを着た悪魔』のように先輩方に指導されます。髪型ひとつ、そして行動の端々をハイエンドの方々に見せても恥ずかしくないよう、改善することを促されたそうです。
こういった顧客への心配り、マナーや常識を身につけたころ、高野さんに転機が訪れました。ティファニーの「外商部」への配属です。百貨店の外商とは、担当者ひとりにつき、お客様ひとりを受け持ち、自宅までうかがい、御用を聞くスタイルの販売です。高野さんは、ブランドの外商担当として、百貨店の外商担当と行動を共にします。
しかし外商の担当者からすれば、ぽっと出の新人が自分の顧客に何をしでかすか分かりません。一緒にお得意先に向かっても、高野さんはただ一人車に残され、お客様にあいさつすることさえかなわなかったこともあったそうです。
この苦境を「チャンス」と捉えたのが高野さんの成功要因です。自分はJAL時代に何度も富裕層のお客様と接してきた。「その経験を生かし、富裕層への対応を得意分野にすれば、他のティファニー社員との差別化ができる」と考えたのです。まずは百貨店の外商担当者に「高野」という人物を「信用」してもらうことを始めたそうです。
■自信がなくとも「あるように」振る舞う
外商担当者に「信用」してもらう。これは富裕層とのつきあいでも同じと言います。富裕層の人は、あなたが「つきあっていくのに値する人物か」、まず判断するからです。顧客との信頼関係は簡単に築けるものではありません。高野さんのお客さんには、3年も費やして関係を構築した人もいました。けれどもまず気をつけるべきは第一印象であると言います。
「第一印象は最初に顔を合わせた瞬間の、たった『6秒』で決まるといわれています。万が一この6秒で悪い印象を与えてしまうと、その後で相手にいい印象を与えたとしても、そう簡単に覆ることはありません」
第一印象ではいかに不快感を与えないようにするか。そして気に入ってもらうのは二度目以降。この第一印象で大切なのは、「女優になりきるか」。高野さんはJAL時代に素敵な女性が持つオーラを観察していました。その結果、一流の人たちは常に「自信があるかのようにふるまって」いたということが判明しました。
どんなに成功している人でも不安や心配事はあります。でもそんな気持ちを出さずに微笑んでみせるのが一流の人たちだと。
これはあなたにも実践できることです。自信がなさそうな人から「信用」してくれと言われても無理なことです。今は何の実績もない自分かもしれません。けれどもあなたは将来どうありたいか。ハイエンドの人たちとおつきあいしたいのであれば、未来のあなたにふさわしい振る舞いをまずすべきだと高野さんは言います。
日本女性の、奥ゆかしく謙虚なところは評価に値するところです。けれども、どんなに光るダイヤの原石でも磨かなければ輝きません。高野さんが他の社員と「差別化」しようと思ったように、あなたの長所を生かせばもっと輝けるはずです。
自分が持つ個性は何か。そしてもっとハイエンドの人に好かれるテクニックは? 平凡なあなたでも誰にも負けない輝きを放つ「セルフブランディング」の方法を高野さんは今、多くの人に伝授しています。そのエッセンスが同書には凝縮されています。ハイエンドの人たちに選ばれる人になるにはぜひ読んでおきたい一冊です。
*「グローバル・ウェルス・レポート」2015年調べ
文=武藤徉子
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