サーモン? それともトロ? 『おすしが ふくを かいにきた』【NEXTプラチナブック】

文芸・カルチャー

更新日:2023/2/7

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2022年11月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

 おすしが服を買いにきた!? 今日はサーモン、それともトロ? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『おすしが ふくを かいにきた』。ミニチュア写真家・見立て作家として大人気の田中達也さんが手がける写真絵本。さて、どんな内容なのでしょう。

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

advertisement

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

サーモン? それともトロ? 『おすしが ふくを かいにきた』

おすしがふくをかいにきた

作:田中達也

みどころ

おすしが買い物にやってきた。ずらりと並んだ華やかなネタ……いえ、服を見ながら迷います。

「サーモンにします?」
「おもいきって、トロにしようかな?」

続いてアイスは帽子を買いに、箱の親子はリボンの着付け、サウナにやってきたのはシュウマイ、ソーセージは車を買いにきます。いちごが自分のベッドに選んだのは……?

ミニチュア写真家・見立て作家として大人気田中達也さんが手がける写真絵本第2弾。「おすしがふくを」という言葉だけで、すでに期待に胸が膨らみます。いったいどんな「みたての世界」が繰り広げられているのでしょう。

表紙にはお皿のビル。洋服屋の奥にはいくらのネックレス、板チョコのカウンター、ふかふかなパンの車にレタスの海、マカロンのソファーに美味しそうなベッド。使われているのは見たことのあるものばかりだけれど、登場するのは最高にワクワクする見たことのない景色。

一枚の写真でも楽しめる田中達也さんの作品だけれど、こうして絵本になってみると、じっくりゆっくり見れば見るほど、さらにストーリーが広がっていくようです。隣の部屋はどうなってるのかな、パンの車の乗り心地はどんなかな、ケーキのベッドはいい香りがしそうだな。ページのすみずみまで眺めていると、その世界の中に入っていけるような気持ちになってきます。

さて、買い物を済ませた彼らは、その後どんな一日を過ごすのでしょう。あるいは次に登場するとしたら、どんなお店がいい? みんなでわいわい、ひとりで静かに。想像の世界の中を楽しんでくださいね。

『おすしが ふくを かいにきた』を「絵本ナビ」で購入する >

編集長のおすすめポイントは……

リアルと空想が入り混ざって

普段使っているものが、全然別のものに。見立ての世界の中で生き生きと暮らす彼らに、ぐぐっとカメラが近づいたり、ぐーんと引いて俯瞰の景色になったり。どこまで細かく見ても、しっかりと作り込んであるのですからたまりません。リアルと空想が入り混ざったおかしな楽しさは、いつまででも見ていたい! 不思議な魅力でクセになってしまうのです。

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。