『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』ってどんな本?

文芸・カルチャー

公開日:2023/3/4

2月24日に発売となった『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』。書店にもそろそろ並ぶ頃でしょうか。この連載では、完成にいたるまで、さらに広報活動の一部をご紹介してきました。「でも、いったいどんな本なの?」 ということで、今回はその「出来上がり」と「中身」について触れていきたいと思います!

「子どもはどんなふうに絵本を読んでいるんだろう?」

絵本と年齢はきってもきれない関係です。どの絵本にも「はじめて出会う」瞬間があり、その出会いが何歳の時なのかによって、味わい方は変わってくるはずだからです。

けれど一方で、絵本を年齢で区切ってしまうことで、出会いを制限してしまわないようにという思いもあります。

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そこで、0歳から6歳まで、なるべく丁寧にその年齢になりきって絵本を読んでみることにしました。見ている世界をできるかぎり想像してみるのです。

すると見えてくるのは、子どもたちと絵本の豊かで濃密な関係性です。どの年齢も本当に魅力的で、それはもううらやましくなるほどなのです。

年齢で区切って語ることは、絵本を通して子どもを知ることであり、子どもを通して絵本を知ることにつながっていくのではないかと考えるようになりました。

ひざの上にちょこんとすわり、大人の声を聞きながら、目はじっと画面を見つめたまま、手や足は無造作に動いている。その姿のなんと愛おしいことでしょう。おしゃべりがとまらなくなったり、ふいに目をうるませていたり。どれも絵本を読む姿です。その味わい方の違いに、私はどうにも興味を惹かれてしまうのです。

『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』は、月刊「こどもの本」での連載「絵本と年齢をあれこれ考える」から誕生しました。さらにコラム、選書リスト、書きおろし原稿を加え、充実の一冊になったかと思います。

大人も負けてはいられません。この本を読んで、いてもたってもいられなくなってくださったとしたら。すぐにでも自分で絵本をさがしにいってくださいね!

どんなかっこうで読んでもいい。今この瞬間、絵本を読むことができる幸せ。

ひとめ見て元気になるような明るい表紙。さらに帯や本文のイラストまで。手がけてくださったのは、絵本作家の三浦太郎さん。本書の装幀に込められた思いについて、コメントをいただきました!

寝転がって絵本を読む、うつ伏せで、いやいや逆立ちで?
どんなかっこうで読んでもいい。今この瞬間、絵本を読むことができる幸せ。
そんな時間が一人でも多くの子どもたちに訪れますように。

三浦 太郎

思い思いの姿勢で絵本を読んでいる子どもたちの姿は、まさに三浦さんのコメントそのもの。こんな夢中な姿や嬉しそうな表情を見ることができたなら、私たちも幸せですよね。

【サイン本+ポストカード付】 はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで 販売中です!

はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで

著:磯崎 園子

出版社からの内容紹介

赤ちゃんは宇宙人!?〈0歳と絵本〉/何かを言おうとしている〈2歳と絵本〉/たくましくって、奥深い〈3歳と絵本〉/空想と現実が溶け合って〈3歳と絵本・前編〉/自分と相手が同時に見えてくる〈3歳と絵本・後編〉/自分の感情をもてあます〈4歳と絵本・前編〉/彼らは小さな探求者〈4歳と絵本・後編〉/でも、どこかで信じている〈5歳と絵本〉/あの子は、私。〈6歳以上と絵本〉/大人だってわかっていない〈大人と絵本〉/子どもみたいに絵本を読む〈続・大人と絵本〉など。(本書「もくじ」より一部抜粋)

ロングセラーから新刊まで約180点の書籍をオールカラーで収録。選書リスト・コラム・本書のための書きおろし原稿を加えた充実の一冊です。年齢ですぐに開ける便利なインデックス付き。「子どもの本」の人気連載「絵本と年齢をあれこれ考える」の待望の単行本化。

『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』の発売を記念して、著者である磯崎園子さんのサイン本と、三浦太郎さんデザイン「『はじめての絵本』オリジナルポストカード2種」をセットにしてお届けします。

【内 容】
・『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(サイン本)1冊
・三浦太郎デザイン『はじめての絵本』オリジナルポストカード2種

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