期待と怖さが入り交じる、とびらを開くときのドキドキ感がたまらない『とびらのむこうのふしぎなおみせ』<ブランニュープラチナブック>

文芸・カルチャー

公開日:2023/12/16

新しい挑戦や出会いを、そっと後押ししてくれる物語

とびらのむこうのふしぎなおみせ

作:ずがぐま

みどころ

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ももちゃんは、新しい町に引っ越してきました。周りには、いろいろなおうちの、いろいろなとびらがあります。ももちゃんは気になるおうちのとびらを次々にたたいていきました。

大きなとびらのおうちは、くまさんのパンやさん。小さなとびらのおうちは、さるの果物屋さん。ほかにも変わった形のとびらや、きれいな色のとびらなど、いろいろなおうちのとびらをたたいてみると、それぞれにすてきなご近所さんたちがいて、おいしいおみやげもたくさんもらいました。

そこでももちゃんは、おみやげを使ってみんなへのお礼にケーキを作りました。しかし、そこにご近所さんたちがみんな集まってきてしまったのです。
「この けーき だけでは たりないわ。どうしよう、どうしよう。」
困ってしまったももちゃんでしたが……。

「とびらのむこうの ふしぎなおみせ」というタイトルの通り、この絵本の魅力はなんといっても、ももちゃんがたたいていく、いろいろなお店の“とびら”です。とびらをたたく前は、その向こうに何があるか見えないのでドキドキしますが、勇気を出して入ってみたら、そこにはすてきなものが待っています。読者も、ももちゃんの気持ちになって「このとびらの向こうには何があるのかな?」という気持ちを体験することができます。カバーにはとびらの形の型抜きがあり、「これはなんだろう?」と、とびらの向こうへのドキドキ感をいっそう高めてくれます。

そして、いろいろなとびらのご近所さんたちのお店が、町のどこにあるのかも、最後にある町全体の絵で種明かしされています。町の全体を知った後にもう1回読み返して、「あ、ももちゃんはこの道を通ってくまさんのパンやさんに行ったのね」という読み方や、ももちゃんといっしょに「とんとん」ととびらをたたいてページをめくったりなど、いろいろな読み方もできる、とっても楽しくかわいらしい絵本です。

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レビューのご紹介

行ってみたくなる素敵なぼうけん

ページをめくるたびに素敵な色遣いと草木花々、まちの風景に「ほぉぅ」っとため息がでます。 それぞれのみりょくのあるとびらを開けて、すてきな出会いをつづけるもも。 新しい扉を開ける勇気やわくわく感、新たな出会いへの喜びを感じます。 こどもにはこんな瞬間がたくさんあるよな~。おとなにも! いつまでもこんな風に彩り豊かな人生を楽しみたい♪と思わせていただきました。 こどもはとびらがあらわれるたびにトントントンととびらをたたいたり楽しんでいました。 描かれた絵を見て次のとびらの先にいる動物を予想するのも楽しいです♪

(もけこさん)

新しい扉をノックしてみよう

1歳の娘といっしょに読みました。かわいい動物やカラフルな小物が大好きな娘は、「わあ」と声を上げ、楽しそうに見ていました。扉をノックする場面では、実際に手でトントンと叩きながら読むと、子供が注目してくれます。 読んでいるときに気がついたのは、パンやスパイスなどのカタカナ語が平仮名で書いてあること。そのおかげで、優しさとぬくもりのある世界観が守られているような気がします。カタカナがわからなくても、平仮名を覚えたら、娘も自分で読めるかなと思います。 新しい扉を開くことは、新しい何かに挑戦することとイメージが重なります。でも、この物語はそんな重々しいイメージは無く、わくわくしながら読み進めることができます。 自分の人生だって、そんなに身構えず、もっと軽やかに、色々なことにチャレンジしてもいいよね、と思える作品でした。

(おもちとこあらさん)

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ブランニュープラチナブックとは……?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

「ブランニュープラチナブック」は、2000万人の絵本ナビ読者の評価と販売実績を得て、新しく「プラチナブック」に仲間入りした注目の人気作品。作品を推す読者のコメントを読むと、選ばれた理由がわかります。

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