あなたの隠れたフェチが暴かれる！？ あっつん氏の「せいふく！」はエロの起爆剤

　そしてここにも、どういう業を抱えてきてしまったのか、「貧乳」をこよなく愛してしまった主人公の物語がある。あっつん氏の「せいふく！」（エンターブレイン）というコミックだ。もともと電子オリジナル作品として「BOOK☆WALKER」で配信スタート、異例の人気によりこのたび単行本化された。

　「部活に所属しなければ、学園の奉仕活動を義務付ける」という校則があることを知らずに入学した主人公の佐藤悠介は、廊下を歩いている途中、スレンダーな体つきをした美少女・早見桃香とぶつかる。転げた桃香の「幼児体形というわけでなく歳相応の体つき」や「余計な肉もついていないスラっとした足」に見とれてしまった彼は、思わず興奮して「あなたの胸を見せてください！！」と告白してしまう。

　規則が嫌いで部活に入ることをためらっていた彼であったが、桃香からのセクシーなサービス満載の部活勧誘を受けて、「幸栄高校服飾部」に入部届を提出してしまう。だが、そこは学校の中でも問題ばかり起こす有名な部活、果たして悠介の青春はどうなってしまうのか…といった内容だ。

　ともかく、エロい！ 直接的な露出や、卑猥な行為などは描かれていないはずなのにページをめくるだけで中学生男子のように気持ちが高ぶってしまう。いったいどうしてだろう？

　よくよく読んでみると、とにかく女の子たちのとるポーズがいちいちセクシーなことに気づく。胸やおしりはもちろん、脇腹から太ももなどが、あたかもグラビアアイドルのような姿勢で強調されている。様々なポーズで挑発してくる女の子たちを眺めていると、主人公の貧乳フェチも妙に納得してしまったり、脇腹の部分に興奮を覚えてしまったりと、今まで思いもしなかったフェチを自分の中から見つけてしまう。まさに、フェチのカタログのような作品なのだ。

　青山裕企の『スクールガール・コンプレックス』（イースト・プレス）やサトウテツオの『びしょびじょ』（マイウェイ出版）といった細かいフェチに焦点をあてた作品が注目される昨今、マンガの中で肉感的な女の子を表現したこの作品は、まさにあなたの隠れたフェチを暴き、様々な欲望を暴発させるエロの起爆剤となるはずだ。