鈴鹿央士が選んだ1冊は?「普段見ている景色とはまったく違う、インドの風景が新鮮。旅したくなりました」

あの人と本の話 and more

公開日:2024/3/15

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年4月号からの転載になります。

鈴鹿央士さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、鈴鹿央士さん。

(取材・文=野本由起 写真=大石隼土)

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 昨年“旅”をテーマに2024年カレンダーを発売した鈴鹿さん。そのヒントになったのは、この写真集。

「もともと旅の写真集やビジュアルブックが好きなんです。この写真集は僕が好きなブランドからリリースされたので、手に取りました。インドの風景や壁の落書き、現地の人たちの写真がとても新鮮で。僕は岡山で育って東京に出てきましたが、普段見ている景色とはまったく違うんですよね。旅したくなりましたし、カレンダーのテーマを決めるきっかけにもなりました」

 自宅の本棚には他にも写真集やビジュアルブックが並び、普段からよく眺めているそう。

「私服に迷った時には、80年代のイギリスのストリートスナップ集を開くことも。僕の場合、小説や哲学書からインスピレーションを得るより、意外とこういう写真集から何かを感じ取ることが多くて。そう気づいてからは、写真集を手に取る機会が増えました。しかもこの写真集は、カバーが布製で手触りもよくて。なにげなく眺めたり、写真を撮りたいなと思った時に参考にしています」

 そんな鈴鹿さんと奥平大兼さんのW主演映画が、『PLAY! 〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』。描かれるのは「eスポーツ」の世界。3人の高専生が即席チームを結成し、全国大会に挑んでいく。

「僕ら3人は、もともと友達ではなく全国大会出場という同じ目標のために集まっているだけ。家庭に問題があっても、それは共有しないし、個人的なことも話さない。その関係性が面白いし、複雑な事情を抱えながらもまっすぐゲームに熱中する姿を見せることで、多くの人に届くものがあるんじゃないかと思いました。僕自身、3人が頑張る姿を見て、応援したくなりました」

 オンライン上のみで築く関係とはいえ、それはけして希薄ではない。

「スマホがない時代も、手紙だけで交流していた人はいたはずです。今は、それが当たり前のつながり方になっただけなのかなと思います」

 完成した映画は、熱量高く、瑞々しさにあふれている。

「正直なところ、大会が終わってから、この3人がどんな関係を築くのかわかりません。大会を目指す期間だけは同じ方向を見ていたし、確かな絆があった。このかけがえのない時間は、3人の人生に刻まれると思います。映画の撮影現場も、それに近いものがありました。僕にとっても大事な時間でした」

ヘアメイク:永瀬多壱(VANITES) スタイリング:梶原浩敬(Stie-lo)

すずか・おうじ●2000年、岡山県生まれ。『MEN’S NON-NO』専属モデル。19年公開の映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞など、数々の新人賞を受賞。主な出演作に映画『ロストケア』、ドラマ『君に届け』など。主演ドラマ『闇バイト家族』が放送中。

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映画『PLAY! 〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』

映画『PLAY! 〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』

監督:古厩智之 企画・プロデュース:広井王子 出演:奥平大兼、鈴鹿央士、山下リオ、小倉史也、花瀬琴音ほか 配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ 3月8日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
●不満はないけど、何かが足りない。そんな3人が全国高校「eスポーツ」大会に挑むことに。同じ学校に通いながら、オンライン上で集合・解散。性格も生活環境もバラバラの3人組が、勝ち負けを超えた先で目にした景色とは。実話にインスパイアされた、日本初の「eスポーツ」劇映画。
(c)2023映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』製作委員会