安倍なつみ「過去の自分と話せるなら、『置かれた場所で咲きなさい』と声をかけたいです。」

あの人と本の話 and more

2014/10/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、ミュージカルナンバーを歌った最新アルバムを10月22日にリリースする安倍なつみさん。そんな彼女が紹介してくれた本は……?

 30代となり、凛とした空気を纏う大人の女性に成長した安倍なつみさん。話し方や所作から、優しさや穏やかさが伝わってくる。

「そう言ってもらえるとすごくうれしいですが、私自身、心身ともに“落ち着いたな”と思えるようになったのはごく最近のこと。それまでは、どこか人を信じるのが怖くて、基本的に自分のことを話せないタイプだったんです。プライベートで仲良くなっても、心をさらけだして話すようなことは、あまりできませんでした」

 そんな彼女を変えてくれたのが、モーニング娘。を卒業してから没頭したミュージカルへの出演。“気持ちを言葉で伝える”という、基本的ながら難しいことの大切さを学び、視界が開けたという。

「モーニング娘。時代は、歌やダンスの楽しさはありましたが、とにかく忙しくて心に余裕が持てませんでした。でも、ミュージカルは長期にわたる稽古と刺激的な本番の一定期間は、役に没頭できるんです。そこで気づいたのが言葉の美しさや、感情を表に出す素晴らしさ。ミュージカルナンバーの言葉の持つ力を信じ、表現することで、こんなに楽しいことがあるのかと幸せな気分になったんです。だからこそ、今回、私が愛するミュージカルナンバーを集めたアルバムを発売することができて、本当に感謝しているんです」

 取材中、彼女は何度も“感謝”という言葉を使う。それは、意識的なのかと聞くと、笑ってこう答えてくれた。

「私が大好きな『置かれた場所で咲きなさい』という本のなかに、笑顔が相手の心を癒すということや、年齢を重ねることは素晴らしいというような人生の教訓がたっぷり綴られているんです。この本を読んでいると、いま、ある状況はすべて未来への大切な鍵であり、自分を成長させてくれる大切な出来事なんだと思えるようになりました。どんなに辛いときでも、将来、咲く花のための種まきだと信じて、ポジティブに生きよう、感謝しながら生きようと思うようになったんです。もし、いま、辛かった過去の自分と話せるなら、このタイトル『置かれた場所で咲きなさい』という言葉を、そのままかけてあげたいですね(笑)」

(取材・文=吉田可奈 写真=下林彩子)

安倍なつみ

あべ・なつみ●国民的アイドル・グループ「モーニング娘。」の一員として人気を博し、その後ソロ活動へ。『トゥーランドット』『三文オペラ』などミュージカル、舞台に出演。ポップスとは異なる歌い方を会得し、アーティスト・安倍なつみへと成長。

 

『置かれた場所で咲きなさい』書影

紙『置かれた場所で咲きなさい』

渡辺和子 幻冬舎 952円(税別)

150万部を突破したベストセラー。87歳という高齢ながら、現在もノートルダム清心学園理事長を務める渡辺和子氏。彼女の過去の経験を基に、どんな境遇でも輝けると綴るメッセージは心に強く響く。人間関係の壁や、自分自身への憤りなど、生きていくうえで訪れる壁の上手な乗り越え方を優しく教えてくれる一冊だ。

安倍なつみさんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ11月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

『光へ-Classical & Crossover-』安倍なつみ

日本コロムビア 初回限定盤(CD+DVD)3500円(税別) 通常盤(CD)2800円(税別)
●透明感溢れる歌声で描くクラシカル・クロスオーヴァーの世界。物語を知らないと曲に深みが出ないと考える彼女は、しっかりと舞台の内容を勉強し、登場人物の気持ちを歌い上げる。その表現力と歌声は、これまでの彼女を知る人だけでなくすべての人に驚きを届ける渾身作だ。オリジナル曲「光へ」は、今の彼女の気持ちがそのまま表現されているナンバーとなっている。