2019年「料理レシピ本大賞 in Japan」の「コミック賞」受賞! 1ヶ月食費2万円で生活する作者・おづまりこさんにインタビュー

食・料理

2019/9/19

『おひとりさまのあったか 1ヶ月食費2万円生活』(おづまりこ/KADOKAWA)

 食費は抑えたいけれど、おいしいものを食べて心を満たしたい…。そんな願いを叶えてくれるコミックエッセイ『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』(KADOKAWA)。「炊飯器で海南チキンライス(35円)」、「ガッツリ味の豚コマステーキ丼(80円)」など、この食費で簡単に作れる本格的な味が話題を呼び、2019年「料理レシピ本大賞 in Japan」の「コミック賞」を堂々受賞! 作者のおづまりこさんに、受賞コメントや楽しく節約するコツなどを聞いた。

幼少時の落書きと実験のように楽しんだお菓子作りが原点

――2019年「料理レシピ本大賞 in Japan」の「コミック賞」受賞、おめでとうございます。まずは受賞された時のお気持ちを教えてください。

「受賞のお知らせをいただいた時はとてもびっくりしました。この本が初めての単行本だったので、感慨深い気持ちです。今までブログや本を読んで応援してくださった皆さんや、本作りに携わってくださった皆さん、周りの人たちのおかげだな、と感謝の気持ちでいっぱいです」

――幅広い層に大人気の『おひとりさまのあったか 1ヶ月食費2万円生活』ですが、周囲の反応はいかがですか?

「家族にはこれから言うのでまだわからないのですが、友達は『おめでとう!』と言ってくれました。読者の皆さんからは『このレシピ作ったよ~』と写真付きでツイッターなどで報告していただけるのがすごくうれしいですね」

――ご飯ものやパスタ、丼、スープ、肉料理からデザートまで40品近いレシピが掲載されていますが、特に反響のあるレシピはありますか?

「35円の『炊飯器で海南チキンライス』、40円の『フレンチトースト』を特にたくさんの方に作っていただいていて。『料理は苦手だけど、実験みたいで楽しかった』『タレがおいしかったので、他の料理にも使ってみた』などのメッセージをいただいています。自分が作る時に『こんなこと言ってもらったな~』と、よく思い出しているんですよ!」

――おづさんの絵は、色やタッチがとてもほのぼのとしていて、見ているだけで楽しくなります。小さい頃から絵が上手だったのですか?

「物心ついた時から絵を描くのは好きでした。幼稚園の頃に落書きしながら『いつか絵を描く仕事をしたい』と、ぼんやり思っていたのを覚えています。漫画は小学生ぐらいから描き始めて…、その後、何度か挫折して(笑)、今に至ります」

――幼稚園の頃には将来を決めていたとは! ちなみに、料理も昔から好きでしたか?

「自炊を好きになったのはけっこう最近のことで、20代後半からでしょうか。それまでは苦手なほうで、自炊を続けるために時短や簡単な方法を試していた感じです。

でも、小学生の頃にお菓子を作ることにハマっていて、クッキーにチューブのしょうがを混ぜたり、カフェオレでアイスを作ったり、実験みたいなことをよくしていました。今もあまりやっていることが変わっていませんね(笑)」

まずはレシートで食費を把握。少しゆるめの設定&冷凍庫駆使で乗り切る

――この本では、ひと月で自炊10,000円、外食10,000円の計20,000円の食費でのやりくりが描かれています。毎月自分がいくら使っているか全くわからない…という人も多いと思うのですが、予算はどのように決めたらいいでしょうか?

「まずはレシートをもらうのがおすすめです。昔は私も、自分が何にお金を使っているか全く把握していなかったんですよ…。最初にしたのは『レシートをもらうこと』で、次が『アプリ家計簿に入力すること』でした。アプリ家計簿なら項目ごとの合計を自動計算してくれるので、自分が何に使いすぎているかはっきりわかりますよ。 

何ヶ月か続けてお金の使い方がわかってきたら、月の収入と支出を照らし合わせて、それぞれの予算を決めます。実際にやってみたら、『私、食費を使いすぎ!!!!』と驚きました(笑)」

――お茶代や飲み代など外食費って気づかないうちについ多くなってしまいますよね? 予算内に抑えるために決めているルールはありますか?

「外食費は基本的に周りの人との社交に使うもので、1人の時は自炊…というふうに分けています。私の場合は、外でお酒を飲む場合は月に1~2回、1回3,500円程度として、残り2,000~3,000円がお茶代…というように考えています。

月末に余りそうな時は、ごほうびとして1人でおいしい甘味を食べたりして調整しています。年末年始などに社交の機会が増えて少ししオーバーすることがあるのですが、『毎月オーバーしていなければよし!』という感じでゆるく設定しています」

――そうすると、自炊の割合がかなり多いですが、自炊生活で特にこだわっていることはありますか。

「好きなものをはっきりさせることでしょうか。私はエスニックが好きなので、タイカレーの素やガパオの素を買い置きしておいて、食べたくなったら作って、『自炊って好きなものが食べられて最高~♪』と思うようにしています。

あと、つらい時や面倒な時は月1回くらい、ファストフードでもいいですよね。息抜きも大事だと思っています」

――スーパーへ行くとつい食材を多く買いすぎて、余らせてしまうこともよくあるのですが…。

「私は、買い置きはあまりしないようにしています。置く場所もないし、ストックが多いと焦ってしまうほうなので(笑)。特に肉や野菜などは鮮度や栄養素も気になるので、冷凍しても1ヶ月のうちに食べきれる量を買うようにしています。常備品も、例えばトマト缶は3つまで、とだいたい決めています」

――だいたいの量や数を決めておくといいのですね。でも、それでも余りそうな時は…?

「とにかく冷凍する!『解凍して使うのが面倒』『味の変化が気になる』というなら、一気に4食分ぐらいのおかずを作って、『おかずで冷凍』します。電子レンジでチンすれば食べられるので、忙しい時に重宝しますよ。私の食生活は、ほぼ冷凍庫のおかげで成り立っている気がします(笑)」

――料理初心者の読者や仕事で忙しい読者も多いと思いますが、『これは間違いなくできておすすめ!』『疲れて帰ってきてもすぐ作れておいしい!」といったメニューはありますか?

「この本にも載っている『肉味噌』です。ひき肉を使うので肉も切らないし、残りの材料も全部みじん切りで、味付けが適当でもだいたいおいしく作れますよ。エリンギはかさ増しなので入れなくても大丈夫。小分けにして冷凍すれば、疲れた時でもすぐ食べられて助かります。ご飯にのせたり、うどんに混ぜたり、ラーメンのトッピングにもOKの万能料理で、1食約65円です。

『炊飯器で海南チキンライス』も炊飯器に材料を放り込んで一気に6食分できるので、小分けして冷凍しておくとラクです! タレは『しょうゆ+おろししょうが』だけでも十分もおいしいので、オススメですよ」

食べたいものを食べたい時に好きなだけ! これぞ自炊の魅力

――面倒になりがちな自炊を習慣化するコツ、楽しむコツを教えてください。

「とにかくラクする、がんばりすぎない。私はいろいろな材料を使う料理だと疲れてしまうので、材料を2、3つだけで作ったり、肉味噌を大量に作って、それを使い回して肉豆腐にしたりチャーハンにしたり…と、1日の調理時間を縮めることばかり考えています。

でも、けっこう同じものばかり食べているので(笑)、最近はレパートリーを増やしたくて、いろいろ試しているところなんですよ」

――おづさんの言葉で、自炊のハードルが下がった気がします。では、おづさんにとって自炊生活の魅力、「家で1人ごはん」の魅力とは?

「『食べたい!』と思った料理が自分で作れるようになってくると、楽しいなぁと思います。少し前に水餃子にハマっていて、いろんな具で大量に作って冷凍していたのですが、家で作ると安いし、すぐ好きなものが食べられてハッピーでした。

私は昔から食べたいものにマイブームがあって、ハマっていると一定期間作り続けるので、1人ごはんだとその時に食べたいものを好きなだけ食べられるのがうれしいですね。

最近は『今日はいい気分だから、少し晩酌しよう! おつまみにあれを作ろう!』と思えるようになってきて、進化を感じています。これからも楽しんで自炊していけたらいいな~と思っています!」

――今後、作ってみたい料理や挑戦してみたい料理はありますか?

「家庭で簡単にできるお菓子やあまり手間がかからないクイックブレッドを作ってみたいです。あと年々エスニックが好きになっているので、エスニックのレパートリーを増やしたいですね。揚げ物なども最近は少しずつフライパンで挑戦しています」

――これからも「1ヶ月食費2万円生活」は続けていきますか?

「最初は難しいこともありましたが、ここ1、2年は自分の食生活に慣れてきて、のんびり無理せず続けられている気がします。たまに予算をオーバーしたり、野菜の価格高騰に苦しんだりすることもありますが、予算があることで『しっかり自炊をしよう!』と思えるので、状況によって柔軟に変化もさせつつ、できるだけ続けていきたいですね」

取材・文=岡田知子(BLOOM)

◆試し読みはこちら
『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』://ddnavi.com/serial/ohitorisama/