急に汗が噴き出てほてってくる…更年期障害の代表的な症状「ホットフラッシュ」への対策は?

健康・美容

公開日:2020/8/7

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

更年期障害

 更年期とは閉経をはさんで前後10年の時期のことを言います。閉経の平均年齢が51~52歳ですから、45~55歳くらいの時期ですね。この時期は、閉経に向かって女性ホルモンが急激に減少していくため、ホルモンの大変動に脳や体がついていけなくなってさまざまな不調が出ることがあります。これが、「更年期障害」です。

 更年期障害の症状は非常に多彩で、のぼせ・ほてり・頭痛・肩こり・めまい・関節痛などの身体症状、不眠・イライラ・気分の落ち込み・集中力の低下・やる気が出ないなどの精神症状などさまざまな不調が現れることがあります。「ちょっと暑がりになったかな~」という程度ですむ人もいれば、症状が強すぎて日常生活がいつも通り送れなくなる人もいます。不調を「年齢のせい」とあきらめず、「これまで通りの私」でいられなくなったら婦人科で相談してみることをおすすめします。

 更年期の症状の中で、最も代表的な症状が「のぼせ・ほてり・発汗」などの体温調整の不具合です。急にカーッと暑くなって汗が噴き出たりするので「ホットフラッシュ」と呼ばれたりします。原因は、女性ホルモンが急激に減少するせいで、卵巣に指令を出している脳のコントロールタワーが混乱してしまい、自律神経の調整力が乱れてしまうためです。更年期は、体温調整だけではなく、めまいや耳鳴りなどの「自律神経失調症」と同じ症状が多々見受けられます。これらも、ホルモンの変動の影響を受けて自律神経のコントロールがうまくいかなくなるために起きてくる症状です。

advertisement

 ホットフラッシュに対して最も速やかに効果を発揮するのは「ホルモン補充療法」です。足りなくなってきた女性ホルモンを補って、急激なホルモンの変動を緩やかにします。ほかにも、漢方薬やプラセンタの注射や、自律神経を整える薬を使う場合があります。日常生活の対処法は、「物理的に冷やす」ことですが、多くの場合ほてるのは上半身なので、首元や頭を冷やせるように、首に巻くクールダウングッズを使ったり、寝るときに枕元にアイスノンを置いたりするといいでしょう。

 更年期の症状は、ホルモンが変動する時期に起きる一時的な症状なので、「ちょっとつらいな」と思ったら、我慢せずに投薬治療を受けることをおすすめします。