「太る」「リバウンドしない」どっちが本当? ダイエット×プロテインの疑問を徹底解決!

健康・美容

更新日:2020/9/11

 外出自粛にともなう運動不足で、コロナ太りに悩む人も多い夏。そんな中、プロテインに注目が集まっているという。これまではボディービルダーなど筋肉をつけたい人が積極的に飲むイメージがあったプロテインだけれど、ダイエットにも効果があるの? これからプロテインを取り入れたダイエットをはじめようと考えている人向けに、ダイエットと栄養、運動の関係に詳しい、モリタ鍼灸整骨院(メディカルフィットネスルームTMCC)マネージャーの加藤真衣さんに、メールでお話をうかがった。

そもそもプロテインってなに? プロテインの上手な選び方

──プロテインの製品を探していると、「ホエイ」「ソイ」などの種類があることに気づきます。それぞれ、どういったものなのでしょう?

加藤真衣さん(以下、加藤) まず、プロテインは「栄養補助食品」、たんぱく質は「食事から摂るもの」としてお答えしますね。

「ホエイ」とは、牛乳から作られるたんぱく質です。水溶性で吸収が早いため、胃腸が強い人向きです。筋肉の回復を効率的に促すので、トレーニングなどで強靭な体を作りたい人に適しています。

 一方、「ソイ」とは、大豆のたんぱく質を粉末にしたもので、消化吸収の速度が遅いため、胃腸が弱い人向きです。満腹感が持続しやすく、ダイエットを希望する人にも適していると言えますね。ホエイプロテインよりも安価です。

 さらに「ミルクプロテイン」というものもありますが、これは、カゼイン約80%、ホエイ約20%からなる乳由来の混合プロテインのことです。カゼインは、チーズやヨーグルトなどを固める成分(乳固形分)を含み、不溶性のため、ホエイよりも吸収がゆっくり。持続的にたんぱく質を蓄えることができるので、睡眠前の摂取がおすすめです。近年はコンビニなどで手軽に購入でき、飲みやすいところもポイントですね。

──溶かして飲む粉末、ドリンク、バーなどいろいろなタイプがあって、どれを選べばいいのかわかりません!

加藤 パッケージの裏面を見てみましょう。「原材料名」「栄養成分表示」が記載されていますね。「原材料名」の欄に、着色料、甘味料、香料、保存料、酸化防止剤、安定剤などの添加物が少なく、「栄養成分表」を見たときに、たんぱく質やビタミンが多く含まれているものを選ぶとよいでしょう。

 人間の身体にとって必要なものは、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素です。そして「添加物」には、見た目をよくするための着色料、おいしくするための甘味料、香りをよくするための香料、変質を遅らせるための保存料、酸化防止剤などがあります。添加物など、人間の身体にとって不必要なものは、体内に入ると排出されるのですが、その排出する働きに、ダイエットにも必要なたんぱく質が使われてしまうため、ダイエットが遅れる可能性があるのです。

 また、「原材料名」の一番はじめに記載されているものが、その商品にもっとも多く含まれているものです。たとえば、「砂糖」からはじまるものがあれば、要注意。砂糖がすべて体脂肪に変わるわけではありませんが、ダイエットの成功からは遠ざかってしまいます。

 以上を踏まえて、いろいろなプロテイン製品を見ていきましょう。

 まず、溶かして飲む粉末と、そのまま飲めるドリンクタイプのものに、違いはほとんどありません。メリットは、吸収が早いこと、デメリットは、食事に比べて添加物が多いことです。運動やスポーツのあと、すぐに摂取できる人向きですね。

 バータイプは、おやつがわりに簡単に栄養を補給できるところがメリットです。その反面、添加物が多く、ドリンク系と比較して吸収が遅いことはデメリット。とはいえ、「ダイエット中でもおやつを食べたい!」という人の味方になってくれそうです。

 ゼリータイプは、添加物が多いというデメリットはあるものの、すきま時間に簡単に栄養補給ができて、バーよりも吸収が早いところはメリットだと言えるでしょう。食事の時間が取れない人や、体調が優れず固形物を食べにくいときなどに、うまく取り入れてほしいですね。

プロテインを摂ると「太る」!?「胃もたれする」!?

──「プロテインは太る」と聞きましたが、本当ですか?

加藤 「太る=体重が増える」と考えると、そういう話になるのも当然かもしれませんね。しかし、たんぱく質は、身体の中でさまざまな役割を担っています。プロテインを摂取して、筋肉や水分量などの徐脂肪量、つまりダイエットの味方になりうるものが増えた場合でも、体重が増える可能性はあるのです。体重が増えた場合は、体重のみで「太った」と判断するのではなく、体脂肪率が増えていないか計測するとよいでしょう。

 プロテインを摂って体脂肪率が増えたという人は、摂取しているプロテインが添加物の多いものではないか、ほかの栄養素(炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)が不足していないかという点をチェックしましょう。「プロテインを摂っているから」という理由でほかの栄養素の摂取をおろそかにしてしまうと、身体が筋肉を分解してエネルギーに変えてしまうことがあります。筋肉が分解されてしまうと、本来燃えるはずだった脂肪は燃焼されず、体脂肪が増えてしまうので、気をつけてくださいね。

──プロテインを摂ると胃もたれします。解決する方法は?

加藤 胃腸がプロテインの消化・吸収に追いつかず、胃もたれの原因となっているのかもしれません。プロテインの量を減らすか、ホエイプロテインからソイプロテインに変えて、胃腸を少しずつ強くしましょう。

 プロテインを摂ることに、向き・不向きは基本的にありません。しかし、今までプロテインをあまり摂取していなかった人、胃腸が弱い人は、いきなりたくさんのプロテインを摂取すると、胃腸に負担をかけてしまい、消化不良を起こすことがあります。

 体調にもよりますが、1回目に摂取した日に、胃もたれや便秘など身体の不調が起こらなければ、2回目は、1回目よりも多く摂取してみましょう。回数を重ねて、自分に合ったプロテイン摂取量を見つけてください。

プロテインは、短期間ダイエット&リバウンド防止にも効果あり!

──プロテインは、短期間でのダイエットに効果がありますか?

加藤 プロテインだけでダイエットの効果が出る可能性は低いといえます。しかし、ダイエットに欠かせない5大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル)を摂取するために、プロテインが活躍します。

 短期間のダイエットをする場合、激しい運動や筋トレを行う人が多い傾向にあります。日常生活以上に身体のエネルギーを使う場合、食事で摂取できるたんぱく質の量が追いつかないことがあるので、食が細い場合などは、とくに気をつけてください。補助的にプロテインを摂取すると、ダイエット効果が出やすいと思います。

──ダイエットのために効果的なプロテインの選び方、摂り方は?

加藤 栄養の補助として摂取するのであれば、消化吸収がゆっくりで、満腹感が持続しやすいソイプロテインがおすすめです。トレーニング後なら、摂取は運動後30分以内が効果的。このタイミングでドリンクタイプや粉末タイプのホエイプロテインを摂取することで、より吸収されやすくなります。

 ちなみに、プロテインを取り入れたダイエットと相性のいいトレーニングは、身体の大きな筋肉を最大に伸び縮みさせるものです。種目でいうと、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどですね。全身の血液の流れがよくなることで、各細胞に栄養が届き、脂肪が燃えやすくなります。

 そして、プロテインだけでなく、1日3食の食事(米、肉、旬の野菜)をきちんと取りましょう。米は脳のエネルギーに、肉は筋肉などになり、野菜のビタミンが代謝を促進してくれます。この食事習慣で身体を構築し、さらにプロテインを摂取することで、より筋肉がつき、代謝が促進されて、脂肪を燃焼しやすくなるのです。

──プロテインの摂取が、リバウンド防止によいと聞いたことがあるのですが?

加藤 プロテインを摂取して成功したダイエットでは、筋肉量が増えているため、リバウンドしにくい身体になっています。

 リバウンドは、必要な栄養素が足りない状態で、身体に我慢をさせるダイエットが限界を迎えたときに起きてしまいます。リバウンドをした場合、ダイエット前よりも体脂肪率が上がる可能性があるので、あまり身体にいいとは言えませんね。とくに女性の場合、ホルモンのバランスを崩しやすくなり、生理不順などを引き起こしかねないため、身体に負担をかけないダイエットをしてください。

 プロテインを摂るダイエットは、リバウンド防止だけでなく、脂肪燃焼効果があったり、体力がついて疲れにくくなったりと、たくさんのメリットがあります。プロテインを摂取しない場合に比べて、短期間のダイエット効果も期待できますよ。

──プロテインを食事のかわりにしてもいいですか?

加藤 プロテインは、「栄養補助食品」と呼ばれるもの。つまり、あくまでも食事をきちんとしてから摂取するものです。食事のかわりにするのはおすすめできません。まずは1日3食きちんと食べることからはじめて、まだ余裕がある場合に、プロテインを摂取してください。しっかりと食事をすることが、ダイエット成功への近道です。

ダイエット成功後も、美と健康のために続けてみて

──ダイエットが成功したら、もうプロテインは摂らなくてもいいのでしょうか?

加藤 目的にもよりますが、ダイエットが成功して満足している人は、プロテインを卒業してもいいと思います。しかし、筋肉を維持したい場合や、食事でたんぱく質が足りていない場合は、継続することをおすすめします。

 プロテインは、各細胞・血液・神経・脳・皮膚・筋肉など、身体のたくさんの場所で必要とされています。プロテインを摂取することは、健康に生きていくためには欠かせないものと考えてよいでしょう。

 ところが、現代の日本人の食生活で、たんぱく質が足りている人はほとんどいません。厚生労働省によると、成人が1日に必要とされるたんぱく質の推奨量は、男性約65 g、女性約50 gです。

例)男性70kg (ダイエット目的のため筋肉つける場合)(たんぱく質量84 g目安)
  朝食:目玉焼き2つ(12 g)、鮭の塩焼き(13 g)、ヨーグルト(3 g)
  昼食:かつ丼(34 g)
  夕食:ハンバーグ定食(23 g)
  合計:85 g
  体重×1.2~1.5g=たんぱく質摂取量(筋肉をつける場合)

 毎日これくらいの食事をすると、プロテインなしでも筋肉がつきやすくなります。

──プロテインを摂ることが、ダイエットだけでなく健康や生涯に及ぼす影響があれば、教えてください。

加藤 プロテインを摂ることで、食事では摂取しきれないたんぱく質を補うことができます。たんぱく質は、身体を構成するために必要なもので、じゅうぶんな量を摂取できていると、血液の質が高くなる、肌の調子がよくなる、代謝が上がってダイエットの効果が促進されるなど、さまざまな面で健康に役立ちます。

 ただし、簡単に摂取できるからといって過剰に摂取してしまうと、胃腸に負担をかけ、消化不良などを起こすことも。まずは食事でたんぱく質を摂取し、足りないぶんをプロテインで補うのが理想です。目標に合わせて、使い分けができるようになるといいですね。

取材・文=三田ゆき

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