「いいね」欲しさに転落! SNSの罠とは? インターネットの恐怖漫画まとめ

マンガ

更新日:2018/9/10

 SNSやブログ、YouTubeなど、インターネットでの自己表現はますます盛んだ。友人との交流を深めたり、大好きなタレントの生活を垣間見たりとネットの世界はワクワクを与えてくれるもの。しかし一歩誤れば、炎上騒ぎにつながったり「いいね」欲しさに自分を見失ったりと意外な危険性も秘めている。ネットトラブルはいまや他人事ではないかも? 一般人からセレブまでを襲うさまざまなトラブルを描き、コワいもの見たさを満たしてくれる5作品をまとめて紹介する。

■みんなの憧れ、セレブOLの正体は? SNSが招く衝撃的な転落劇

 大企業OLの明日香は今日もSNSのアップに余念がない。元・読モの私は特別な女だから、いつでもチヤホヤされて当然! 地味なお姉ちゃんや、周りの低レベルな女たちとは違うの。そんなイタい主人公を描いたのが『ゴミ屋敷とトイプードルと私』(池田ユキオ/小学館)。新作ブランドリングやエステの写真をアップし続ける明日香だが、その実態は、SNSのためには多額の借金を抱えペットも虐待する偽装キラキラ女子だった。偽セレブ生活を続けるために、援助交際に走る明日香だったが…。

 現実社会でも、SNS映えのために“盛ってる”人も少なくないそうだ。周囲に見かける怪しげキラキラ女子を思いだしながら読むとより刺激的かも。

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■偽装キラキラ女子第2弾は、ニセ“意識高い系”港区女子!

 前作『ゴミ屋敷とトイプードルと私』がパワーアップし『ゴミ屋敷とトイプードルと私 #港区会デビュー』(池田ユキオ/小学館)として帰ってきた。キラキラ港区女子の裏側にある、昼ドラばりのドロドロが堪能できる。

 主人公は、前作で後輩OLとして登場した野心家のサヤ。イケメンエリートの婚約者も手に入れ幸せ絶頂のサヤ。さっそくSNSでキラキラの自分を発信したサヤだったが、最終ゴールは謎のセレブ・フォトスタグラマーのmisakiみたいになること。そのためには、モデルや社長、有名人とだけ付き合って“港区女子”のブランドを手に入れなくちゃね。欲に目がくらんだサヤはある一線を越える…。

 謎のセレブや憧れの上司、ライバルとなる派遣女子など濃いキャラが続々登場し、サスペンス色も満点。

■あの子だけには負けたくない! ジェラシーが招いた事件とは?

 SNSにハマった主人公を襲った恐怖を描いたのが『SNS地獄』(高村しづ・とらふぐ/AMG出版)。地方出身のユミはしがないOL。都会でバリバリのキャリアウーマンになるはずが、実際はコピー取りやお茶出しだけ。そんな時に出席した同窓会では、地味だった友人たちが仕事や結婚で成功をおさめ見違えるようにキレイになっていた。ショックを受けるユミだったが、SNSで「夢の自分」を演出する快感に目覚めたことから日常の歯車が狂い始める。友人の自慢気なSNS記事への対抗心もあり、ユミの行動はエスカレートしていく。同僚のバッグを盗撮してアップ、見知らぬイケメンを自分の彼氏として紹介…そしてついに予想外の事件がユミを襲う。ジェラシーに煽られて深みにハマってしまう心理は他人事ではないかも!?

■衝撃の実話! 主婦たちを襲うネットトラブル5本立て

 SNSには主婦もハマる! 『おばさんSNS炎上』(まるいぴよこ・はやしだちひろ・庭りか・ 瓜渡モモ/ぶんか社)というなんともパンチのきいた本作は、読者投稿による実話5話をマンガ化したもの。生活のふとした隙間に、トラブルがじわじわと忍び込んでくる感じが、実話ならではの迫力。お料理教室の素敵な先生の素顔が衝撃的な「彼女の本当」の読後感は切ないが、最後にわずかな救いを与えてくれる。「ステキなママ」はSNSとママ友トラブルとのコンボ。その他、アラフォーOLがマンションを購入したことから思わぬ結果になる「幸せ選び」、ストーカー騒動に巻き込まれる「気持ち悪い女」、友人との関係を描いた「意地悪なレシピ」を収録。

■スクールカーストの恐怖! もう誰も信じられない…

 最後は学園ものを紹介しよう。『カースト・SNS』(有馬明香/マッグガーデン)では、SNSがあぶり出すスクールカーストの恐怖が描かれる。

 主人公が通う学校では、ある日突然、クラス内での格付けを行う強制投票制度が施行される。疑心暗鬼になるクラスメイトたち。ある出来事をきっかけに、カースト最上位のエリカが転落したことを皮切りに、ギリギリの均衡を保っていた人間関係のパワーバランスが狂い、クラスは思わぬ方向に動き出す。グループLINEでの仲間外しや、学校裏サイトが存在する昨今、有形無形の悪意の存在にぞわりとさせられるが、どう生きるかを最終的に決めるのは自分だという勇気ももらえる作品。

 楽しいだけではなく、時には人間の本音もさらけ出してしまうインターネットの世界。たまには平凡な日常を忘れ、虚構の世界でストレス発散をするのも悪くないが、もっと刺激が欲しい時にはコミックの世界で楽しんでみてはいかが?

文=綾浜悠