「言い訳をする」は「状況判断が早い」? ネガティブな言葉をポジティブにするのがブーム

人間関係

2012/12/13

 今年大ブレイクしたモデルの栗原類。彼の人気はなんといっても、目鼻立ちがはっきりした美しい顔に似合わない、ネガティブすぎる発言の数々だ。「何かいいことがあったら、そのうち悪いことが起きるのが世の常」「僕はおそらく一生モテないと思います…」と、一見、発言自体はかなり後ろ向きだが、人気が出ても決して驕らずにひとりの時間を楽しむという自身の価値観を淡々と語る姿勢がウケているのだろう。

 しかし、多くの人はネガティブな発言を続けていると後ろ向きな思考に陥り、負のスパイラルにハマってしまう。だからといって、毎日自分の心にウソをつくようなポジティブな発言をして空回りするとさらに疲れる。

 そんな人々を癒やしながらも元気にしてくれるのが、『ネガポ辞典―ネガティブな言葉をポジティブに変換』(ネガポ辞典製作委員会/主婦の友社)だ。もともとはネガティブな言葉をポジティブな言葉に言い換えてくれるという携帯電話向けのアプリで、計14万回ダウンロードされるほどの人気。書籍化に当たり、約300語を追加した。

 例えば、「煮え切らない」は「仲介人になる素質がある」、「引きこもり」は「蝶になる前のさなぎ」「戦士の休息」、「死ね」は「死ぬ気で生きろの略」に言い換えている。

 中には「口元にたれ・青ノリ・ソース・パンくずなどの食べかすをつけている」が「非常食を携えている」「恋人同士がラブラブタイムに突入するとっかかり」、「フンを踏んだ」は「靴を磨くいい機会だ」「韻も踏んだ」など、設定や言い換えに吹いてしまうようなものも多数あり、ページを進めるうちに徐々にネガティブとポジティブの境界線が見えにくくなっていく。

 実は本書の狙いはまさにそこ。著者のひとり、蠣崎明香莉は高校時代に、母親に「とろい」と怒られたが、友人からは「マイペース」と褒められ、短所と長所は実は表裏一体だと気付いたという。自分ではコンプレックスだと思っていることが、実は他人には魅力だということは少なくない。大切なのはそれに気付くか否かだ。

 自分に自信がない場合はどうしても短所が気になるし、人間関係で悩めば相手の嫌なところばかりが目についてしまう。そんなときに『ネガポ辞典』を開けば、嫌なところが魅力的に変換され、例えそれが無理やりな言い換えでも笑いに昇華してくれる。

 自分や他人に対するネガティブな感情はなかなか変えられないが、見方は変えられる。ネガティブスパイラルに陥ってしまったとき、本書はきっと脱出の大きな一歩となってくれるだろう。