SNSからゲームまで…見知らぬ人とつながるって、本当は怖い!?

公開日:2013/1/11

 今年大ブームとなったFacebookやTwitterなどのSNS。見知らぬ人ともインターネット上でつながることができるようになったが、ポケモンやどうぶつの森といったポータブルゲームにも「すれちがい通信」という機能が搭載されており、同じゲームを持った者同士が文字通りすれ違うと、いつの間にかつながってしまう。人付き合いが苦手な人からすると、気軽に他人と知り合うことができ、簡単に友達を作ることもできるとあって、なんともありがたいツールではあるが、手軽に他人とつながるという行為は、これまでになかった危険もはらんでいる。

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 時折ニュースで流れる芸能人のTwitter炎上事件に代表されるように、いつ何時自分が見ず知らずの人からの誹謗中傷に巻き込まれるか分からない。そういったSNS上でのトラブルを1冊にまとめたのが、『本当はコワイSNS』(アスペクト:編集、ビジネスアスキー:編集/アスペクト)。同書には、インターネットで起こった本当に怖い話がたくさん詰まっている。「自分が書いた日記にコメントを付けてくれない友人とギクシャクしてしまった」、「親の死を報告した投稿に“いいね!”が付けられて怒りを覚えた」などの些細なものから、「ネットストーカー」や「機密情報漏洩」など犯罪レベルのものまで…。どれも他人事のようだが、SNSを利用している人ならばいつ巻き込まれてもおかしくないトラブル。正しく利用すれば楽しい人間関係が築ける半面、一歩間違えるとすぐさま牙をむく。SNSとは、もろ刃の剣のようなものだということをいま一度理解しておきたい。

 「そんなに怖いならSNSなんて利用しない」との意見もあるだろう。しかし、もはや現代人の生活にとってSNSは切っても切れない関係にある。情報の伝達という意味では、やはりSNSを活用することにメリットがあるからだ。そこで読んでおきたいのが、『ソーシャルもうええねん』(村上福之/ナナ・コーポレート・コミュニケーション)だ。関西の家電メーカーで開発職に携わっていた著者が、ソーシャルメディア時代を生き抜く術を説いてくれている。同書によると、「ソーシャルメディアは嘘ばっかり」とのこと。フォロワーもいいね! もお金で買えてしまうという。逆に言えば、所詮は作られたバーチャルの世界、虚構は虚構として楽しむのが賢いやり方ということだろう。たしかに、そう割り切ってしまえば、フォロワー数に一喜一憂したり、コメント数を意識した日記を書いたり、ということも減るかもしれない。

 加速度的に進化し続けるネットワーク社会。時代に踊らされることなく自分の足でしっかりと生き抜くためには、一歩引いた目線が重要なのかもしれない。

文=磯田大介(OfficeTi+)