ただの二股・三股とはちがう! ハーレム状態を作れる男の条件とは

マンガ

更新日:2013/3/4

 複数の女の子にモテてモテてモテまくるハーレム状態は、ある意味男の夢。アニメやマンガのラブコメでも、ハーレムものは人気ジャンルのひとつだ。

 ただ、このハーレムものが難しいのは、本当にハーレム状態を作り上げてしまっては、主人公が単なる二股・三股男になってしまうところ。そのため、ハーレムものは宿命的に、複数の女の子から好意は寄せられ、アクシデント的なパンチラやボディタッチのようなラッキースケベや、イチャイチャ感を演出しつつ、決して浮気や二股ではないという状態を描かなければいけないのだ。

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 この問題を避けるために、必然的に多くなったのが「女の子からあからさまに好意を寄せられているのに、主人公はまったく気付かない」という鈍感力を求められるパターン。ただし、多くなりすぎたこともあり、最近では「あまりに鈍感すぎる」といわれてしまうこともある。

 そんななか、鈍感力以外でハーレム展開を成立させる作品もある。代表的なのが、アニメ化もされた『神のみぞ知るセカイ』(若木民喜/小学館)だ。「神のみ~」では、悪魔との契約によって女の子たちを次々と恋に落とさなくてはならなくなったという設定で、複数の女の子から好意を寄せられる状況を肯定している。女の子を落としたら、そのときの記憶はなくなるため、恋の成就というラブコメのクライマックスを何度でも疑似体験させてくれる点でも優れたフレームといえる。

 そして、「恋愛感情なしで疑似恋愛を行う」というフレームをさらに進めたのが、週刊少年マガジンで連載中の『山田くんと7人の魔女』(吉河美希/講談社)だ。この作品は主人公の男子高生・山田くんが、ちょっとした事故で同級生の女の子と体が入れ替わってしまうところから始まるストーリーなのだが、この鍵になっているのがキス。魔女と呼ばれる女の子とキスをすることでさまざまな能力が発動するため、作中では頻繁にキスシーンが登場。ラブコメというよりも青春ストーリーという感じだが、ある意味では、好意をぼかして体(キス)だけの関係が重なる、変則的なハーレムと呼べるだろう。

 物語の枠組みではなく、発想を転換したのが『危ノーマル系女子』(真田ジューイチ/ほるぷ出版)。たくさんの女の子たちに強烈な好意を寄せられるという、典型的なハーレム展開なのだが、特別なのが女の子たちがみんな、ひと癖どころでない危険なタイプばかりという点。ドMはともかく、ストーカーや連続殺人鬼といった異常な女の子ばかりのため、好意を寄せられても、明らかな拒否理由があるから、ハーレムが破綻しないのだ。まさに「その発想はなかった」という異色の日常譚になっている。

 一見楽しそうなハーレム展開を成立させるには、さまざまな苦労が必要、という点ではマンガも現実も同じなのかも!?