大河ドラマで話題!現代人と変わらない「平安貴族」のリアルとは?

文芸・カルチャー

公開日:2024/5/27

株式会社日本ビジネスプレスが運営するデジタルメディア「SYNCHRONOUSーシンクロナスー」より、大河ドラマ「光る君へ」で時代考証を担当する倉本一宏先生の書籍『平安貴族列伝』が5月21日に発売。正史に残された記録をもとに、個性豊かな官人たちの生涯を紹介する。

平安貴族列伝
平安貴族列伝』(倉本一宏著)

正史に残された平安貴族の知られざる人生

藤原氏摂関政治の最盛期を極めた藤原道長。藤原不比等の代から認められた藤原氏は、奈良時代に南家・北家・式家・京家の四家に分かれる。

北家に道長が誕生するまでには、奈良朝の政変劇によって力を失った南家で、右大臣に登り詰めた継縄(つぐただ)。天皇の後継者争いに巻き込まれ、非業の死を遂げた式家の仲成(なかなり)、異母兄とは真逆に無能で酒色のみを好んだ縵麻呂(かずらまろ)。出世より趣味を選んだ藤原京家の始祖・麻呂の子孫である継彦(つぐひこ)。そして、生き残った北家のなかで官歴を消されてしまった真夏(まなつ)と、さまざまな官人が栄え、没落していった。

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本書では、藤原氏をはじめ、古代の名族である紀氏や大伴氏、安倍晴明が子孫と称する安倍氏、皇親や内親王、僧侶など、正史に残された記録をたよりに、この時代に生きた人々の生涯を知ることで、平安時代を身近に感じることができる。

平安京に生きた面白い人々の実像に迫る

日本の正史である六国史に載せられた個人の伝記「薨卒伝(こうそつでん)」。本書では、藤原氏などの有名貴族からあまり知られていない人物まで、興味深い人物に関する薨卒伝を取り上げ、平安京に生きた面白い人々の実像を紹介する。

出世より仙人に憧れた風変わりな藤原氏の官人、菅原道真より優秀だった祖父の功罪、天皇に寵愛されながらも政争に翻弄された内親王、そして後世の伝説に繋がる空海の知られざる最期など、出世だけではない官人たちの豊かな感性とともに、千年の時を経ても変わらない人間の本質に迫る。原文はすべて現代語訳を掲げ、詳細な系図も掲載している。

京都御所 内庭
京都御所 内庭

京都御所
京都御所

京都御所 空撮
京都御所 空撮

著者のことば

「平安時代の人はおろかで、現代人ははるかに優秀な人類だ」と考えるのは、とんでもない思い違いである。それどころか、千年の時を超えて、人間の本質は変わらないんだなあと感じていただければ幸いである。」(倉本一宏)

今回の書籍について担当者に話を聞いてみた。

ーー今回の書籍の狙いは?

平安時代とはどんな時代だったのか?平安貴族はどんなふうな生涯を送っていなかったのか?意外に知られていない時代のリアルな姿を、古記録をもとにわかりやすく紹介。歴史ファンはもちろん、大河ドラマで興味を持った一般層がターゲットです。

ーー今回の書籍のイチオシは?

現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」時代考証を担当する倉本一宏先生の最新刊です。表紙などもやわらかい印象で、日本史に興味のない方でも手に取りやすいようにしました。

ーーユーザーへのメッセージは?

現代人と変わらない、平安貴族のリアルな姿をお楽しみください。

【書籍情報】
■タイトル:平安貴族列伝
■著者:倉本一宏(歴史学者)
■出版社:日本ビジネスプレス(SYNCHRONOUS BOOKS)
■定価:1870円(税込)
■発売日:2024年5月21日

【著者情報】
歴史学者。専門は日本古代政治史、古記録学。国際日本文化研究センター(日文研)・総合研究大学院大学(総研大)名誉教授。1958年、三重県津市生まれ。1983年、東京大学文学部国史学専修課程卒業。1989年、同大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。1997年、博士(文学、東京大学)。著書に『一条天皇』『壬申の乱』『現代語訳 小右記』(吉川弘文館)、『蘇我氏』『藤原氏』『公家源氏』『平氏』(中公新書)、『藤原道長の日常生活』『戦争の日本古代史』『内戦の日本古代史』『平安京の下級官人』『紫式部と藤原道長』(講談社現代新書)、『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』『藤原行成「権記」全現代語訳』『藤原道長「御堂関白記」を読む』(講談社学術文庫)、『権記』『小右記』(角川ソフィア文庫)、『増補版 藤原道長の権力と欲望 紫式部の時代』(文春新書)、『平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像』(NHK出版新書)など。

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