ひきこもり女子に萌える! その魅力とは?

マンガ

更新日:2013/12/26

今年の流行語大賞にノミネートされた「スネップ(SNEP)」。学生を除く20 歳以上59歳以下の未婚で普段仕事もしていない人のうち、ふだんずっと一人でいるか、 一緒にいる人が家族以外にはいない人々を指す言葉。ニートに代わる新しい言葉として、話題を集めている。スネップの半数くらいはひきこもりともいわれるが、近年、家に引きこもっている人の数はかなり増えている。ひきこもり=ダメな人といったイメージをもつ人が多いかもしれない。

 しかし、実はラノベにおいて、そんなひきこもりの女子が人気になっているのだ。そこで、11月20日に発売された『引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている』(棺 悠介/一迅社)や『花屋敷澄花の聖地巡礼』(五十嵐雄策:著、三輪フタバ:イラスト/アスキー・メディアワーク)、『ひきこもりの彼女は神なのです。』(すえばしけん:著、みえはる:イラスト/ホビージャパン)などから、いろんなひきこもり女子を紹介してみよう。

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 まずは、ひきこもって自室でジオラマを作り、聖地巡礼気分を味わっている『花屋敷澄花の聖地巡礼』の花屋敷澄花から。彼女は、普段「部屋着らしいゆるっとした感じのパーカーとひらひらとした短めのスカートにニーハイソックス」というラフな格好をしており、外にも出ていないので「肌は人形のように真っ白」。おまけに、動かないので筋肉も少なく、小柄でほっそりしている。そして、ときにはいつもの癖でうっかり下着姿のまま主人公である行人の前に出てしまうことも。こんなふうに無防備な姿を拝めるのも、相手がひきこもり女子だからだろう。

 また、『引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている』では、小学生の頃、いじめられっ子だった主人公の蒼衣春哉を救った恩人・瑞鳥紫羽が、ひきこもりになってしまっている。かつては「凶鳥」と呼ばれて恐れられていた彼女だったが、6年後に再会すると超ネガティブな女の子に変わってしまっていた。部屋にこもる彼女は、エロゲーのモニターをガン見しながら、「春哉様、春哉様、ふふ、いいわね、同級生男子を様付けして呼ぶなんて、最底辺の人間の特権だわ」と自虐的に笑う。昔の恩を抜きにしても、こんなひきこもり女子を放っておくことはできない。男たちに「どうにかしてあげたい」「自分がついていてあげなくちゃ」と思わせる彼女たちは、男のなかにある庇護欲や父性を掻き立てるのだ。

 そして、『ひきこもりの彼女は神なのです。』では、冥界の神様である氷室亜夜花まで引きこもっている。しかし、新しく寮に入った主人公・名塚天人の部屋を確保するため、彼女には別の部屋に移ってもらわなければならなくなる。彼女はどこかぼんやりとした不思議な雰囲気をまとい、感情の読めない声で淡々と話す女の子だったが、確固たる意志で引きこもっているので、当然部屋を変わってくれるはずもなく、天人は困り果てていた。でも、亜夜花がお気に入りのお菓子で誘惑したり、手作りの料理で餌付けしながら徐々に距離を縮めることに成功する。はじめは拒絶していたひきこもり女子たちが、徐々に自分に対してだけ心を開いていく過程もたまらないのだろう。

 肉食系女子の時代と言われる現代において、男の中の独占欲や優越感、庇護欲も満たしてくれるひきこもり女子は、まさにオタク男子にとっての理想の女の子なのかもしれない。

文=小里樹