話題の市川海老蔵ブログ本に綴られた、梨園のプリンスのエネルギッシュでほっこりな日々

芸能

2014/1/28

1日20回超の怒濤の鬼更新で話題を占拠中の「ABKAI 市川海老蔵公式ブログ」、みなさまはご覧になられたことはありますか?

開始からわずか3日間で1316万人を越す訪問者を獲得した、海老蔵さまの超人気ブログがまとめて読める、『神さまからのお福分け 海老蔵 縁起物図鑑』(市川海老蔵/講談社)。こちらには昨年4月9日の初投稿「何故か、始めました。」から、11月2日の「いた」まで、およそ7ヵ月間の投稿から抜粋された記事が画像とともに収録されております。これまでのブログの投稿数は、少ない月で200回台、多い月で700回台。自撮りがお好きで、まとめサイトによれば、昨年12月時点でのその数およそ600枚超。

ちなみに「ABKAI(えびかい)」とは海老蔵さまの自主公演名にも使われた言葉で、公演に際して「歌舞伎の伝統を守りつつ、新たな試みに挑戦したい」と表明。このブログもおそらく同じ流れをくむものなのでありましょう。

 これまで市川海老蔵と言えば、どちらかというと「こわもて」「やんちゃ」な印象が強いお方であったと思われます。しかしブログではそのイメージが一転。たとえば「今回の役」(4月13日)という記事では、歌舞伎の化粧後のニヒルな自撮り画像とともに、「わるーいやつなんです。とても いひひ」なんて、いい意味でこちらの予想をぶち壊してくれるお茶目さを披露。

 ブログから明かされる活動範囲や興味関心はバラエティに富み、朝起きてから就寝するまで、休むことなく発信し続けるエネルギッシュさにも驚嘆します。そして、そこには海老蔵さまの、本当に何気ない日常の風景がたくさんつまっていました。

 映画の撮影中に空き時間ができて、散歩がてらにタンポポをみつけたこと。旬の時期に旬の素材をいただき、日本の四季を堪能したこと。しっとり艶のある古唐津茶碗でお抹茶をいただいて、ほっとひと息。「ありがたい」と感じた瞬間など、日常生活で目にしたもの、口にしたもの、触れたもの、感じたことまで、あますところなくぽんぽんと切り取って、惜しみなくお福分けする太っ腹さを感じます。

 歌舞伎について書かれた記事も多くあります。「来月の舞台」(4月24日)では『伊達の十役』という演目について、「自分を殺したり殺されたり裁いたり裁かれたり生き返ったり死んでしまったりと、はじめて歌舞伎をご覧になる方にも楽しめる演目です」と、口上を含め11役の早変わりで魅せる物語をコンパクトに伝わりやすく形容されていたりします。

 ブログを始めた時期は、最高のメンターにして父でもあった十二代目市川團十郎氏を失った直後であったためか、記事の中にはときおり、亡き父のエピソードが挿入され、悲しみや涙を素直に綴った記事や、これまでを穏やかに振り返った気持ちが綴られた文章も見受けられます。

「生きているうちに、僕を生んでくれて、ありがとう と言えた事、本当によかった。」(「いま、ふと思い出したこと」4月25日)。
「海老蔵襲名の時に病気になってから八年、様々な治療のおかげで元気でいてくれて、ずいぶんと話しをしてくれました。この間の時間は、僕にとって、神さまからのプレゼントだったと思います」(あとがき)

 年明けの海老蔵ブログもその勢いはとどまるところを知らず、1月26日の更新などは、早朝4時23分の「興奮して」から始まって、深夜またぎの0時10分「Yahooさん」まで、計26回の更新がございました。この日は「歌舞伎十八番」の継承と復活に意欲的に取り組んできた海老蔵さまが新たに挑んだ、新春花形歌舞伎「通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)」の千穐楽と、大好きな大相撲初場所の千穐楽に優勝がかかった一番が重なって、いつものご機嫌度がさらに増した模様であります。

 日々ありがたいと感謝し、父に感謝し、自分の家族を慈しみ、歌舞伎を愛する36歳。8月15日の「幸せです」では、こんな一文が心を和ませてくれます。

「僕は 見た目がこわめだし めんとむいてお話するとどうも ハッキリ言い過ぎる傾向があるので 気分を害したり 怖がられたり してしまいます が 文章だと 何故か自然と思うことがオブラートになり とてもいい感じになるんです …って、 いい感じでなかったら笑 すんません」

文=タニハタマユミ