「下半身」や「手」のしぐさから、隠していた深層心理がズバリと見える!

人間関係

更新日:2014/1/31

『心理カウンセラーがこっそり教える やってはいけない実は不快なしぐさ』(小高千枝/PHP)

『心理カウンセラーがこっそり教える やってはいけない実は不快なしぐさ』(小高千枝/PHP)

 普段、なにげなくしている自分の「しぐさ」について、それが果たして相手にどのような印象を与えているのか、意識的に考えて行動しているという人はどれくらいいるだろうか。

 かの有名なアメリカの心理学者・メラビアンの実験によれば、「好意や反感にまつわる、態度や感情のコミュニケーション」において、「送り手が、どちらとも取れるメッセージを送った」場合、「受け手は、声の調子や身体言語を重視する」ことが指摘されている。最も影響力が大きいのはビジュアル(視覚)で、次は音声(聴覚)。言葉(言語)は影響力がいちばん少ないことが示唆された。

 つまり人は会話をするとき、無意識のうちに言葉以外の非言語情報、つまりあなたのしぐさや表情、声のテンポなどからさまざまなメッセージを受け取り、判断している。実はしぐさは、あなどれないのだ。

 『心理カウンセラーがこっそり教える やってはいけない実は不快なしぐさ』(小高千枝/PHP)は、そのタイトルどおり、情報バラエティ『ナカイの窓』(日本テレビ系列)でココロジストを担当する著者が、人が無意識のうちにしてしまいがちな「不快なしぐさ」について解説。まずは自分自身のしぐさを意識することから、人間関係を変えるヒントをみつけていこうという本である。

 著者によれば、誰かと話をしていて何となく違和感や不快を感じたりするときは、相手の会話の内容が問題なのではなく、視線を合わせなかったり、爪をかむなど、視覚的なしぐさが原因であることが多いという。心理学では、人の感情や本心は、ボディ・ランゲージに現れるとされている。特に心の状態が現れやすい部分は「手」で、たとえば手をテーブルの下に置いているのは、相手に心を見せていない状態を示している。

 また「下半身」にはよりいっそう、無防備な深層心理が現れる。一般的に、足を組むのはリラックスしている状態を表すが、相手が足を何度も組み変えた場合。それは「飽きてしまって、集中できない」証拠だそうだ。つま先を上下するのも同様で、体を動かすことでなんとか話に集中しようと努力しつつも、内心では「ああ、早くこの話が終わらないかな…」と感じているサイン。くれぐれも、大切なシーンでは頭から足の先まで集中して気を配り、自分から不快なしぐさを発信しないように心がけたい。

PART1「やってはいけないしぐさ」、PART2「やってはいけない作法」、PART3「ついやってしまうしぐさ」と、ひたすらNGしぐさについて解説する本書のラストのPART4は、「こんなときは、このしぐさで乗り切ろう」というレスキューページで締めくくられる。

 たとえば「文句を言われたとき」は、しぐさを用いて、相手を自分のペースに巻き込むとよい。怒っている相手の剣幕に動揺して、つい「すみません、すみません」とペコペコおじぎをするのは、相手を勢いづかせてしまって逆効果。ひと息つき、落ち着いた物腰で「申し訳ありません」と一度頭を下げ、そのときにイチ、ニ、と首で拍子をとる。相手がまくしたてる言葉のテンポに同調せず、自分のリズムをつくることで、相手も冷静になるという。

 「落ち込んで泣いている相手」に対しては、なぐさめの言葉より何倍も力があるのが、「手当て」をすること。相手の体にそっと手を置くことで、手のぬくもりが相手に安心感を与えてくれるのだ。さらに、「気の合わない人とランチするとき」には、正面よりも親密さが増す「90度の位置」に座ってみる。そして、食べるペースを相手に合わせると、呼吸が合って、会話をしやすくなるという。

 生きている限り、人は大なり小なり、なにかしらのトラブルに遭遇する。しかしそうしたとき、相手や状況を変えようと無理に抵抗をするのではなく、まず自分の認知や行動を変えることで状況に適応しようというのが心理学の考え方。

「最近、なんだかうまくいかない」「人間関係でつまづいている気がする」という人は、自分がもしかして無意識のうちに相手に対して、不快なしぐさをしていないかどうか、その見直しから始めて、コミュニケーション上手を目指してみてはいかがだろうか。

文=タニハタマユミ