ヘタレ童貞vs.干物女! ふたりの恋の行方は!?【マンガ『カレは女とシたことない。』】

マンガ

公開日:2014/6/7

 20代男性の4割が童貞と言われるほど童貞男子が増え、女性も恋愛に対して面倒くさがりで、恋愛から遠ざかっている干物女やドライフラワー女子と呼ばれる人が増えていると言われる昨今。そんな童貞男子と干物女の恋愛模様を描いたマンガ『カレは女とシたことない。』(都 陽子/祥伝社)が発売された。ヒロインは、8年彼氏なしの32歳ショップ店員・美園亜希子で、お相手となる市原孝信は顔よし、性格よし、センスよしだけど童貞の元同級生。お見合いで偶然再会した2人だが、こんな干物女と童貞男子が恋をしたら、どうなってしまうのか?

 ヘタレ童貞な市原だが、彼には姉もいるし、女性が苦手だとか、どう接したらいいかわからないということはないようだ。それに、亜希子は中学の同級生でもあるので、自分からメールをしてデートに誘ってくれたりもする。しかし、とにかくタイミングが悪いしリードしたりもできないのだ。だから、何度デートを重ねても自分からは手も繋ごうとしない。そのうえ、亜希子と初めて2人で温泉旅行に出かけたときも、いい感じの雰囲気になっているのに元カノからの電話に出て亜希子を怒らせてしまう。おまけに、そういった態度を責められると「どうせ付き合っても思ってたのと違うとかタイミング悪いとか言われてきたよ!」と開き直るのだ。こんな姿を見たら、いくらイケメンでも女性たちが頼りないと思い、離れて行ってしまうのもわかる。

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 一方、干物女の亜希子は、女子力低めでズケズケものを言う。普段はショップ店員として働いているのだが、セール時期になると睡眠時間は5時間を切ることも多く、家に帰ると化粧も落とさずに眠りこけてしまうことがある。当然その時期は家のなかも大惨事で、1ヵ月は散らかったまま手を付けられない状況になってしまう。もちろん出かける気力や体力も、人を招き入れる余裕もないので、市原からの「美園さんちに行っていい?」というせっかくの申し出も断ってしまうのだ。また、ケンカをすると「そんなんだから今まで童貞なんじゃん」「童貞のくせにっ」とバンバン相手の傷口をえぐる。それで元カレたちにも「ガサツな女」とフラれ続けていたのだが、市原からも「何でもズケズケ言っちゃって相手のこと傷つけてたんじゃない? だから彼氏が出来なかったんだろ」と言い返されてしまう。これでは、男性側が嫌になってしまうのも仕方がないかもしれない。

 しかし、そんな2人が意外と上手く噛み合うのである。ケンカして亜希子に「やっぱり男の人にリードしてもらいたいじゃん」と言われた市原は「オレだってしてもらいたいよ!!」と思わず本音をこぼす。その勢いで「こっちだってテンパってんの!」「電話だって出ないでって言ってくれればいいじゃん!」と言いたいことを全部吐き出すのだ。普段なら、相手を傷つけたらどうしよう。それで嫌われたらどうしようと気にして、思っていることもなかなか言えない市原だが、相手もズケズケ言ってくる亜希子だからこそ、たとえケンカになっても言いたいことはちゃんと言えるようになる。それに、ここで吐き出すのは愚痴だけじゃない。「オレはちょっとガサツな所も気の強い所もいいなって思ったよ」「一緒にいたいなって思ってる」と亜希子に対する素直な気持ちもきちんと伝えてくれるのだ。そんなことを面と向かって言われたら、いくらガサツだと言われる亜希子でも乙女のようにときめいてしまうのは当然だろう。

 今後も、干物女と童貞男子は増えていきそうだが、亜希子と市原のように、お見合いなどで出会う場さえセッティングしてもらえれば、案外相性はいいのでうまくいくかもしれない。

文=小里樹