スゲエめんどくせぇ…っていう女同士の人間関係をこじらせずに整頓する唯一の方法

人間関係

更新日:2020/1/28

 夜の世界には、過去に自分がNO.1だった頃の栄光から抜け出せず、きれいで性格のよい子が入店するたびに、ここぞとばかりにつぶしてしまうママがいる。どうして閑古鳥が鳴いているのに、自分より器量のない子や機転の利かない子ばかりを集めてしまうのだろう…と疑問に思うが、その理由は一目瞭然。つまるところ、その手のママは「選ばれる性」の呪縛から解放されていないのである。

 精神科医の水島広子氏の著書『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)によると、時代は変化してきているとはいえ、伝統的に、そして未だに一般的な傾向として、女性は「男性から選ばれる性」の傾向が強いのだという。そのせいだろうか。顔立ちや容姿がよく、若い頃にチヤホヤされていた女性ほど、中年を過ぎてから顔に険が出てくることは珍しくない。そして、そういう女性というのは、目の前の男性に気があろうがなかろうが、自分以外の女性がその男性と仲良くしていたり、自分よりも目立っていたりすることに異様に嫉妬するもの。あなたの周りにもひとりやふたり、心当たりがあることだろう。

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 水島氏いわく、その要因は女性が歴史的に置かれてきた立場にあるという。かつての女性は自力で社会的地位を築くことなど考えられず、「どの男性に選ばれるか」によって社会的地位が決まっていた。これは完全に過去の話ではなく、そういう観念を植え付けられている女性ほど「選ばれる」ということを中心に地球がまわっていると考える。結果、例えば人気者の男性と結婚した女性や、自分より幸せそうに見える女性に対して嫉妬に狂い、猛攻撃をしかけてしまうのだ。彼女たちにとって、誰かが選ばれたということは、「自分は選ばれなかった」という現実を突きつけられたことになり、傷つく体験になり得るからだ。

 一番の難局は、そんな面倒くさい女性が自分の上司や先輩だった場合。むげにはできないし、ご機嫌を損ねたらあとでどんな仕打ちが待っているかわかったものではない。できることなら、ほどよい距離を保持しながら、自分に害のないように立ち居振る舞いたいものである。

 では、そういった「選ばれる性」の呪縛にがんじがらめになっている女性に対して、具体的にどういった態度で接すればよいのだろう?

 同書でくり返し書かれてある答えはたったひとつ。それは、とにかく相手が自分自身が受け入れられた、癒されたと感じる言葉をかけ続けること。例を出すなら「そうか、あなたはそう考えるのね」「そんなことがあったんだね」など。つまるところ、「相手を受け止めている」という合図になる言葉以外は、一切、自分の感情を表す表現を使わないのがよいらしい。特に誰かの陰口や悪口への同調を求められているときほど、このやり方は有効となる。

 ここまでくると、「もう必要なこと以外は話さなきゃいい」と思ってしまいがちだが、一度お近づきになってしまった「お母さんぶり」「お姉さんぶり」たい女性に否定的な態度をとると、瞬く間に「敵」と見なされ、標的となる可能性があるため要注意。とにかく「あなたの領域を尊重している」という信号を送り続けることが自分を守るためのポイントなのだ。

 シンデレラの継母のような女に絡まれることは百害あって一利なし。十分に気をつけたいものである。

文=山葵夕子