【今やせるなら遺伝子ダイエット!?】遺伝子を知れば最短でやせられるってホント!?

ダイエット

公開日:2014/8/3

 かつてない猛暑がやってきて、体型をカバーできない薄着シーズンに突入した。ぽっちゃりお腹を最短でどうにかする方法なんて、そうそうないとはわかっている。しかしタイトルにつられて『最短で効く! 遺伝子タイプ別ダイエット 自分の「遺伝子型」を知れば、痩せられる』(白澤卓二、DHC/SBクリエイティブ)を開いてみた。

 本書では遺伝子研究のプロとライフサイエンス事業部をもつDHCがタッグを組み、人の遺伝子タイプにあわせた効果的なやせ方を指南してくれる。近年は病気の遺伝的リスクのみならず、老化や肥満など「健康」分野においても遺伝子からわかることが増えている。簡単に言えば、遺伝子レベルで「太りやすい体質」が判明するのだ。

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「遺伝子レベルで太りやすいんだったら、もう打つ手なんかないじゃん!」と投げやりになるのは早計。自分のもつ肥満遺伝子の性質と自分の体質を知り、それにあわせて食事と運動を中心とした正しい生活習慣を身につけることで、誰もが必ずやせることができるのだという。あまり簡単な方法ではなさそうだけれど。

 さて、そんな本書の冒頭は肥満のメカニズムから始まり、遺伝子のしくみにまつわるややコムズカシイ説明が続くが、なんといっても気になるのは「遺伝子が関係する肥満のメカニズム」。

 ざっくりかいつまむと、肥満遺伝子とは、食料事情の厳しい太古の昔、人類が飢餓を生き抜くため脂肪を蓄える目的で獲得した「倹約遺伝子」に由来するものらしい。しかも日本人を含むモンゴロイドは白人に比べて飢餓の時代が長く、この倹約遺伝子をもつ人種ゆえに生き残ることができたとのこと。ちなみに日本人は「倹約遺伝子」を白人の2~4倍はもっているのだとか。

 そんな我々が現代では、動物性脂肪の多い高脂肪食やお菓子、ジュースなどといった糖質の高い食品をひんぱんに摂取する食生活にシフトしたため、摂りすぎた糖分が脂肪としてがっつり体内に蓄えられてしまうということらしい。交通機関の発達による慢性的な運動不足ももちろん拍車をかけている。もはや倹約遺伝子は今のライフスタイルには不要なものともいえるのだが、残念ながら肥満遺伝子という形で残ってしまった。

 現在、肥満に関する遺伝子は約60種確認されているという。中でも代表的なものが3つある。

1)β3AR遺伝子…この遺伝子に変異があると、1日の基礎代謝量が200キロカロリー低下すると言われている。この肥満遺伝子をもつ人は、内臓脂肪がたまりやすくお腹から太りやすい「りんご型(上半身肥満)」タイプ。

2)UCP1遺伝子…この遺伝子に変異があると、1日の基礎代謝量が100キロカロリーほど低下するとされている。この肥満遺伝子をもつ人は、お尻や太ももなどに脂肪がつきやすい「洋なし型(下半身肥満)」タイプ。

3)β2AR遺伝子…この遺伝子に変異があると、1日の基礎代謝量が200キロカロリーほど増えるとされている。この肥満遺伝子をもつ人は、脂肪はたまりにくいが、筋肉がつきにくい「バナナ型(いったん太るとやせにくい)」タイプ。

 実は、約97%の日本人が上記3種類の遺伝子のいずれかに変異があるという統計結果があるのだ。自分がどの肥満関連遺伝子をもっているかを検査したい人は、『DHCの遺伝子検査 ダイエット対策キット』を用いるのがおすすめだそうだが、ここでは本書にある簡易チェックシートの抜粋と、それぞれの食生活の注意点とおすすめの運動をざっとご紹介しておこう。

「りんご型」
□ぽっこりおなかのビール腹
□ご飯やパンなど炭水化物が好き
□食べ物の誘惑に負けがち etc.
●注意点:糖質の摂りすぎに注意!
●おすすめの運動:有酸素運動

「洋なし型」
□下半身太りが気になる
□脂肪分の高いこってり系のおかずが好き
□お酒が好きで晩酌多め etc.
●注意点:脂質の摂りすぎに注意!
●おすすめの運動:有酸素運動と下半身の引き締め

「バナナ型」
□以前はバナナのようにほっそりしていた
□生魚や野菜などが好き
□朝食を抜くことが多い etc.
●注意点:たんぱく質が不足しがち!
●おすすめの運動:軽度の有酸素運動と全身の筋力トレーニング

 なお、本書にはそれぞれのタイプ別に最適な食品・食材選びのほか、図解つきエクササイズなどを盛り込んだ「体質別ダイエット法」の詳細が紹介されており、体験実例も掲載されている。やせるポイントを効率的におさえながらダイエットに取り組むことで、それなりの手応えが得られるようだ。真剣に取り組みたいという人は、まずは本書で、自分の遺伝子タイプを調べることから始めてみよう。

文=タニハタマユミ