就活生&新社会人にぜひ読んでほしい! サラリーマンっていいね!と思える本3選

ビジネス

更新日:2015/2/5

●『夢、死ね!』(中川淳一郎/星海社)

「現場ではむしろ『能力の向上』や『お客様の笑顔』なんかよりも、『怒られないこと』がすべての原動力になっていることが多いのだ」

「才能よりも良好な人間関係を作れるか否かが仕事では重要ということだ。それだけでしかない。ライターに限らず、会社員だろうが公務員だろうが、最低限の常識を身につけ、信用できる人に仕事が集まり、その人が出世するのである」

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 著者は、『NEWSポストセブン』などの人気ニュースサイトを手がける敏腕編集者。社会人はみんな知ってるけど、あまり語りたがらない現実をセキララに教えてくれる一冊です。

 しかし、「ここまで散々“がんじがらめになるサラリーマン”を見てきたが、そんな人ばかりではない」といって明かされる“面白い仕事をする方法”は、最初にご紹介した1冊目と同じ。

 たとえば、と著者が挙げるのは、ニフティに勤務する林雄司氏。氏はニフティの公式な仕事として「デイリーポータルZ」というネタサイトを運営し、ネットで絶大なる人気を博しています。

「林氏のゆるく自由な雰囲気に魅せられたライターがたくさん集い、“納豆を1万回混ぜる”という実験記事を出したり、“ハトが選んだ生命保険にはいる”という広告企画をやるなど、とにかく楽しげなことをやりたい放題である」

 つまるところ、「実績があれば何をやっても良い」。毎月確実に給料をもらいながら、楽しい仕事ができるだなんて、まさしく社会人の夢! 新社会人は、会社に入ったらまずは実績を作ることに心血を注ぐべし!!!

 それでも、就職に夢を持てない学生さんは言うかもしれません。「いやいや、サラリーマンは悩み多いって聞くし」、と。そんなへ理屈にトドメを……いや、そんな不安をちょっと軽くしてくれる1冊がこちら。

●『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』(西内啓/マイナビ)

 本書は、「給料が上がらない」「仕事がうまくいかない」などの悩みを経済学や経営学、心理学などで解決策を提示しています。「どうすれば楽して出世できるのか?」の章では、「自分の仕事を“天職”と感じている人が成功する」と明かした上で、「最新の研究によれば、人は“天職に就く”だけではなく、“自分の仕事を天職に作り変えることができる”」といいます。

「(天職に変える方法は)会社からは求められなくても、業務遂行に関わる挑戦的な目標をみずから設定して達成を目指してみたり、自分が興味を抱いている業務により深く関われるよう上司にはたらきかけても良いでしょう」

 ポジティブ心理学や経営学の研究によって、「情熱は行動意欲を生み、行動意欲が発揮されていれば能力は最大限に引き出される」ということもすでに実証済み。「意義と喜びをもたらしてくれる活動に集中することが、結局のところ最も大きな物質的成功(収入や肩書など)にも繋がる道なのだ」としています。

 いきなりフリーになるというイバラの道を考えるより、これらの本を片手に「オレ、ちゃんと就職しようかな」「会社も案外楽しそうだな」と思ってもらえれば幸いです。うーむ、なんだか私も就職したくなってきましたよ…。

文=矢口あやは