特集番外編2 2009年9月号

特集番外編2

公開日:2009/8/10

女の子って、いい!
ダ・ヴィンチはじめてのGL(ガールズ・ラブ)特集によせて

編集M.I

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突然ですが、女の子って、いいですよね。私は女性ですが心からそう思います。「それはセクシャルな対象としてなのか」というところは置いておいて、ふわふわした感じとか、肌のやわらかさとか、なんかいい匂いするところとか、笑ってると可愛いし泣いてても可愛いところとか、まぁとにかく触れたい。女だって女に触れたい!のです。ここまで明確な指向がなかったとしても、一緒にいることが心地よい女性同士の関係というのは、誰しも持つものではないでしょうか。

そして、今回、ダ・ヴィンチでも「はじめて」となる、GL(ガールズ・ラブ)特集です。特集名、そのまんまですが「はじめてのGL」。個人的には、「百合」ということばの方が浸透している気もしますが、BLの特集を何度か行っていることを踏まえて、編集部で相談し、今回は「GL」にまとめさせていただきました。もちろん、「GL」と「百合」は違う!と確固たる考えをお持ちのかたもいらっしゃるとは思いますが、今回は初心者向けの特集ということで、「女性同士の強い絆・感情」をもつものをすべて「GL」と表現させていただきました。あしからず、ご理解いただけましたら幸いです。

特集のはじめには、『雨の塔』(集英社)の宮木あや子さんのスペシャル書き下ろしショートストーリー、「蜜の味のキャンディ」を掲載。美術部の先輩&後輩の、キュンと来るストーリーです。私は『雨の塔』が大好きなので、今回特集にご協力いただけて、本当に嬉しく思いました。宮木あや子さんは、偶然ですが同じ号に新刊『野良女』(光文社)についてのインタビューも掲載。こちらも女心を見事に描いていますが、がらっと雰囲気の違う作品です! 作家さんって、ほんとうにスゴイ!

「蜜の味のキャンディ」&特集のはじまりを飾るイラストは、『まんがの作り方』(徳間書店リュウC)の平尾アウリさんに描いていただきました。平尾アウリさん、『まんがの作り方』がデビュー作ながら、「新感覚百合」として話題のマンガ家さんです。今回のイラスト、雰囲気あふるる水彩の美麗で切ない感じで素敵ですよ! ぜひご覧ください。

特集はほか、GLの歴史を大正・昭和の少女小説から現在までごく簡単に振り返った「GLの系譜」、そして雑誌『コミック百合姫』(一迅社)で活躍中のかずまこをさん×森島明子さんによる対談(お二人の心に残っているGL作品もたっぷり!)、アニメも絶賛放送中の珠玉作品『青い花』(太田出版f×C)著者の志村貴子さんインタビュー(作品の誕生エピソードも!)にて、GL作品クリエイターのみなさまに登場いただいています。みなさん、「女(の子)同士」を描くことへの、強い思い入れと、そして喜びを語ってくださいました。

ほか、「GL作品マッピングガイド」で20作のGL小説&コミックをご紹介。「ダ・ヴィンチっぽい」、一味違う作品ラインナップになったかなと思います。作品のチョイスをしていて感じたのですが、最近、GL属性を持つ脇役が出てくる作品って、すっごく多いんですね! 誌面でご紹介したもの以外にも、素敵な作品はまだまだあると思いますので、ぜひ世界を広げてみてください。

(全然関係ないのですが、今回実は特集のサブタイトルを誌面に入れ損ねました! よろしければ表紙または目次ページを見てみてください……)