戦国時代突入!? pixivに聞くwebコミック最前線

マンガ

更新日:2015/3/17

ジーンピクシブ

pixivコミック発のwebコミック誌「ジーンピクシブ」(http://comic.pixiv.net/magazines/88


 近年、LINEマンガ、comico、マンガボックスなどwebコミックの大型サービスが隆盛で、出版社もこぞって進出したり、マンガ賞にもweb部門が創設されるなど、webコミックは量、質とも大幅に上がってきている。

 各サービスの競争が激化するなか、web発の大ヒット作ははたして出るのか? そこで、イラストコミュニケーションサービスのpixiv(ピクシブ)で、無料で読める漫画や新刊情報のコミック総合サイト「pixivコミック」を担当する石井真太朗さんにwebコミック業界のトレンドやこれからについて聞いた。

 

webコミックは忘れられないように努力しなきゃいけない


――まずはpixivコミックの概要について教えてください

石井:2012年6月より開始したサービスで、pixivのユーザーに向け、出版各社と協力して雑誌の試し読みを提供しているほか、気になる作品や雑誌の更新情報や単行本発売情報をすばやくキャッチすることができます。近年は試し読みだけでなく、ここでしか読めない作品なども増やしています。

――掲載しているコミック作品、雑誌はどれくらいあるのですか?

石井:雑誌で100誌、単体作品で1400作品くらいありますね。

 

ピクシブコミック

コミック総合サイト「pixivコミック」(http://comic.pixiv.net/



――そんなにあるんですか! そもそもpixivコミックを立ち上げた経緯は?

石井:もともと各社さんからpixivにいるマンガを読むことが好きなユーザーに向けて、作品を見せていくことができないか、という相談をいくつもいただいていました。それに加え、僕自身も好きな作品の単行本が出ていることに気づかず本屋さんで気付く、というようなことがあったので好きな作品の情報をいち早くキャッチできたらなーという思いがあったからです。

――昨年、pixiv コミック発のwebコミック誌「ジーンピクシブ」もはじまりました

石井:pixivコミックのやりたかったこととしては「ユーザーが投稿した作品から、よりメジャーになっていく作品を増やすこと」なので、pixivコミック立ち上げ当初からwebオリジナルの媒体をやりたかったということが背景にありました。「ジーン」本誌でpixiv出身の作家さんが活躍していて、タイミングとしてちょうどよかったのかもしれません。おかげさまで、今ではpixivコミック月間PV数No.1となるまでに成長しました。

 

ジーンピクシブ

5月に連載作品のコミックス刊行が決定



――やはりネットならではの作品トレンドってあるのでしょうか?

石井:もちろんあります。ネットは手軽に読めることがとても重要なので4コマや短い作品がとっつきやすいですし、「共感を得やすい作品」というのも読まれやすい傾向にあります。マンガやアニメが好きな登場人物が多くなっているのもそういった理由でしょうね。pixivでもエッセイや、短編など読まれやすい印象があります。

――いまwebコミック業界が活気づいていますが、他社サービスを意識することはありますか?

石井:意識しないといえば嘘になりますが(笑)、そこまで意識はしていないかなと思います。webサービスは全般そうだと思うのですが、あくまで対ユーザーを意識しないといけないと思うので、良いな、と思うところは積極的に取り入れています。それ以外は特にないですね。

――さまざまなサービスがある中、pixivコミックならではの強みって何でしょう?

石井:pixiv出身の作家さんが支持されやすいことだと思います。当然ですが、pixivのユーザーに向けてのサービスなのでもともと人気がある作家さんであれば当たり前のようにみなさん読んでくれます。もうひとつはもともとマンガを読むことに慣れているユーザーなので、そのことを意識した作品作りができる、ということでしょうか。

 

男性向けから女性向けまで幅広い作品が読めるのもpixivコミックの特徴だ

  • 『月刊少年ガンガン』
    (スクウェア・エニックス)
  • 『月刊プリンセス 』
    (秋田書店)
  • 『Kiss 』
    (講談社)

 

――作家と読者が一緒にステップアップできる感覚は、確かにpixivならではですね~。最後に、今後webコミックはどうなっていくと思いますか?

石井:少なくとも更新頻度はどんどん上がっていくと思います。単純に、スマホの普及でwebに触れる機会が増えているので、忘れられないように努力しなきゃいけない。その答えで単純明快なのは「頻度をあげること」です。あとは嗜好の細分化。マンガ好きが集まるプラットフォームという位置づけから、ジャンルのようなものができあがるのではないでしょうか。どういう形になるかは想像ついてませんが……。無料があたり前になってきているのでそれが引きにならない。どうなっていくんでしょうね(笑)

――課金制度などの実現は難しいと?

石井:個人的にはとても難しいのではないかなと思っています。かく言う僕も1読者ですが、正直無料で読めるものを追うだけで全く時間が足りないし、満足してしまう。「作品を提供する」以外の付加価値が必要だとは感じていますね。


pixiv人気NO.1「ジーンピクシブ」連載作品、コミックス刊行決定


 ブログやTwitterなどで簡単に自分の作品を発表できる時代。これからもますます投稿数は増えていくだろう。石井さんの指摘するように、web上にある膨大な数の作品から抜きん出てヒット作となるには、共感を得られるような内容であることはもちろん、発表に適したプラットフォームの選択、更新頻度など様々な要素がからんできそうだ。

 最後に、pixivコミック上で人気No.1を誇るwebコミック誌「ジーンピクシブ」の連載タイトルから今年5月にコミックス4作品の刊行が決定したそうなので、それぞれ紹介したい。

飼い主獣人とペット女子高生

(野干ツヅラ/KADOKAWA メディアファクトリー)

閲覧数500万突破!! 大人気作「かじぺじ」がジーンピクシブで連載化!!ある日突然獣人の世界に攫われ、ペットとして生きていくことになった女子高生リラと、その女子高生を飼う事になった獣人ジノヴィ。人外×女子高生のペット生活はじまる!?

T-REXな彼女

(三三/KADOKAWA メディアファクトリー)

恐竜女子×腹黒男子の日常ショートコメディ!! 恐竜と人間が共存している現代。旭川優真はある夜、野生本能むき出しの肉食恐竜娘・チュリオと出会う。頭が白亜紀のままな恐竜女子・チュリオと元ヤン・優真の日常ショートコメディ!!

 上記2作品は最近人気の「人外×人間」の恋愛もの。『飼い主獣人とペット女子高生』は獣人×女子高生、『T-REXな彼女』は恐竜×男子大学生の組み合わせだ。それぞれ異種間ゆえにお互いの価値観が全く異なるところからはじまり、少しずつ打ち解けていく過程がコミカルかつ丁寧に描かれる。


アフリカのサラリーマン

(ガム/KADOKAWA メディアファクトリー)

pixivやtwitterで話題の、3匹の動物によるサラリーマンな日常ショートコメディ♪ 動物の世界にも世知辛さはあるのです!

 つづいてコメディ作品。アフリカの会社に勤めるライオン先輩、トカゲくん、オオハシによるまったく雄大でないせせこましい日常がシュールに描かれる。清々しいまでのクズっぷりを発揮するオオハシが奇妙に愛おしい。


あしょんでよッ ~うちの犬ログ~

(らくだ/KADOKAWA メディアファクトリー)

twitterで話題の「いぬのきもち」がコミック化!! ほっこりほんわかまったりと。同居している飼い犬との、かわいくてかわいくてしかたない日々を描いた、わんちゃん観察型ショートコミック!!

 4作品目はペットもの。犬を飼ったことがある人なら必ず分かるエピソードが満載で、読んでいると脳内で自分のペットに脳内変換されること請け合いだ。ペットに癒されたい人は必読。


コミックス刊行記念!! 書店POPイラストコンテストを開催

 「ジーンピクシブ」では、コミックス刊行を記念してPOPイラストコンテストを3月13日(金)~4月14日(火)まで開催する。参加方法は簡単で、好きな「ジーンピクシブ」連載作品をテーマに(1タイトルでも複数タイトル合同でもOK!)書店POP用イラストを描き、参加タグ「ジーンピクシブPOPイラコン」をつけてpixivに投稿するだけ。見事最優秀賞に選ばれると、全国書店で使用するPOPとして採用されるほか、賞金3万円やテーマ作品作者のサイン色紙が贈呈される。早速応募してみよう!
 

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POPイラストコンテスト