もうすぐGW! かばんに忍ばせたい短編集&アンソロジー5選【2024年版】

文芸・カルチャー

公開日:2024/4/27

ゴールデンウィークの予定はもう決まっていますか?
「せっかくだから少し遠くへ旅行してみようかな」
「仕事も遊びも、予定がぎっしり!」
そんなあなたに、おでかけ先でも気軽に読める短編集&アンソロジーをご紹介します!

今回取り上げるのは、この1年ほどの間に刊行された作品ばかり。
きっと、新しい出会いがあるはずです。

advertisement

かばんにそっと忍ばせれば、移動時間やスキマ時間が楽しい“読書時間”に早変わり。
初めて入る喫茶店で、目についた一篇を読み進める……なんていうのも素敵かもしれませんね。

さあ、お気に入りの1冊を見つけて、軽やかで気ままな時間を過ごしてみませんか。

かばんに忍ばせたい短編集&アンソロジー5選【2024年版】

【短編集】良心のありかを考える100分間。いつもより大きな文字で届ける厳選名作

100分間で楽しむ名作小説 蜘蛛の糸』(角川文庫)
著者:芥川龍之介

お釈迦さまが散歩の途中、極楽の蓮池の下をのぞき込むと、カンダタという男が血の池でもがいているのが見えた。人を殺したり放火をしたり、さまざまな悪事を働いた末に地獄に落ちたカンダタを見てお釈迦さまは、彼が生前、蜘蛛を踏みつぶそうとして思いとどまったことを思い出した。そこでお釈迦さまは、彼をめがけ蜘蛛の糸を地獄の底へたらしたが――。

【もくじ】
蜘蛛の糸
地獄変
羅生門

ページ数:128頁
発売日:2024年03月19日
関連記事①芥川龍之介『100分間で楽しむ名作小説 蜘蛛の糸』作品紹介
関連記事②「100分間で楽しむ名作小説」シリーズ特設サイト

【短編集】11歳から42歳、それぞれの「選択」に向き合う男女を描いた、著者初の短編集。

今日も町の隅で』(角川文庫)
著者:小野寺史宜

同級生の長野くんに誘われて野球観戦に来た愛里。2人の前には大声でヤジを飛ばす男が座っていて……「梅雨明けヤジオ」。バンドでリードギターからベースになった悠太が初デートで訪れたのは“ツリー”ではなく“タワー”だった――「逆にタワー」。思いもよらない偶然を重ねて出会った駿作と那美は、その時が来るのを待つ「君を待つ」。ほか、全10編を収録。

【もくじ】
梅雨明けヤジオ
逆にタワー
冬の女子部長
チャリクラッシュ・アフタヌーン
君を待つ
リトル・トリマー・ガール
ハグは十五秒
ハナダソフ
カートおじさん
十キロ空走る

解説 沢田史郎(書店員)

ページ数:304頁
発売日:2023年02月24日
関連記事①文庫巻末解説
関連記事②単行本刊行時 レビュー【評者:沢田史郎】
関連記事③単行本刊行時 カドブン特別試し読み

【連作短編集】住宅街の片隅に佇む小さなビストロ、今宵もオープン。

キッチン常夜灯』(角川文庫)
著者:長月天音

街の路地裏で夜から朝にかけてオープンする“キッチン常夜灯”。チェーン系レストラン店長のみもざにとって、昼間の戦闘モードをオフにし、素の自分に戻れる大切な場所だ。店の常連になってから不眠症も怖くない。農夫風ポタージュ、赤ワインと楽しむシャルキュトリー、ご褒美の仔羊料理、アップルパイなど心から食べたい物だけ味わう至福の時間。寡黙なシェフが作る一皿は、疲れた心をほぐして、明日への元気をくれる――共感と美味しさ溢れる温かな物語。

【もくじ】
プロローグ
第一話 眠れぬ夜のジャガイモグラタン
第二話 明日のためのコンソメスープ
第三話 ご褒美の仔羊料理
第四話 師弟の絆 バスク風パテ
第五話 長い夜の末に クレームカラメル
エピローグ

ページ数:304頁
発売日:2023年09月22日
関連記事①レビュー【評者:三辺律子】
関連記事②「角川ごちそう文庫」第1弾 ラインナップご紹介
関連記事③「角川ごちそう文庫」第1弾 書店員さんの感想コメントご紹介

【アンソロジー】心ときめく風景や絶品料理がここに。「しあわせ」溢れる旅×グルメ小説集!

おいしい旅 しあわせ編』(角川文庫)
編者:アミの会/著者:大崎 梢、近藤史恵、篠田真由美、柴田よしき、新津きよみ、松村比呂美、三上 延

祖母と一緒に行くはずだったお伊勢参り。急なトラブルでひとりでお参りすることになった元喜は、ある男の子と出会う(「もしも神様に会えたなら」)。
幼い頃に引っ越し、生まれ故郷の記憶はまるでない。両親の思い出話を頼りに故郷をめぐる旅に出るが……(「失われた甘い時を求めて」)。
心ときめく景色や極上グルメとの出会い。旅ならではの様々な「幸せ」がたっぷり詰まった7編を収録。読めば旅に出たくなる、実力派作家7名による文庫オリジナルアンソロジー第3弾!

【もくじ】
「もしも神様に会えたなら」大崎梢
「失われた甘い時を求めて」新津きよみ
「夕日と奥さんのお話」柴田よしき
「夢よりも甘く」篠田真由美
「旅の理由」松村比呂美
「美味しいということは」三上延
「オーロラが見られなくても」近藤史恵

ページ数:288頁
発売日:2023年10月24日
関連記事:「おいしい旅」シリーズ紹介

【アンソロジー】2024年の大河ドラマは紫式部! 華やかな世界を描くアンソロジー

君を恋ふらん 源氏物語アンソロジー』(角川文庫)
編者:末國善己/著者:田辺聖子、瀬戸内寂聴、永井路子、森谷明子、澤田瞳子、永井 紗耶子

光源氏の養女は、お転婆娘だった(「やんちゃ姫 玉かつらの巻」田辺聖子)。放浪の僧侶が秘めた懊悩とは(「髪」瀬戸内寂聴)。和泉式部の奔放な恋を描く(「桜子日記」永井路子)。皇女に嫌がらせをするのは誰? (「朝顔斎王」森谷明子)。高名な巫女が召したのは、醜い少女だった(「照日鏡──葵上」澤田瞳子)。朝廷の権力闘争と、女房たちの創作の源を描く(「栄花と影と」永井紗耶子)。歴史小説の名手たちが織りなす、美麗なるアンソロジー。

【もくじ】
やんちゃ姫 玉かつらの巻 田辺聖子
髪 瀬戸内寂聴
桜子日記 永井路子
朝顔斎王 森谷明子
照日鏡──葵上 澤田瞳子
栄花と影と 永井紗耶子

解説 末國善己

ページ数:288頁
発売日:2023年10月24日
関連記事①文庫巻末解説

こちらの記事もおすすめ!

もうすぐGW! 最強の徹夜本5選【2024年版】

https://kadobun.jp/feature/book_concierge/entry-90758.html

謎と驚異の詰め合わせ。「ミステリ短編集5選」

https://kadobun.jp/feature/book_concierge/entry-75746.html

それでもわたしたちは、ともに歩いてゆく(たぶん)。 初夏のカップル小説4選

https://kadobun.jp/feature/book_concierge/entry-45777.html