「へこむ」「ぶっちゃけ」「ヤバい!」…、英訳できますか?

文芸・カルチャー

2015/6/10

言葉は時代により変わる。何も崇高に語るわけでもなく、誰もが身を持って体感している事実だと思われる。ひとたびネットで「言葉」「時代」と入れてみても、関連検索にはその一端を表すキーワードが並ぶ。

私たちの使う日本語ではいうまでもなく、古語と現代語では通じないもの、もしくは単語や文字こそ一緒だが意味の変わったものがある。例えば「騒々(さうざう・そうぞう)しい」。今でこそざわついている様子を表す言葉だが、かつては「もの寂しい」「もの足りない」という意味合いで使われていた。

そして、流行り廃りの激しいここ数年の社会においてもいえることだが、その事情はどうやら英語圏でも変わらないらしい。例えば「selfie」。ご存知の方も多いかもしれないが、日本語でいう「自撮り」を表すもので、日本とほぼ同じ時期に流行ったような感覚もある。

国境を超えても同じ文化が浸透しているのは、どこか嬉しい現象のようにも思うが、変化のめまぐるしい現代の日本語を英訳した本がある。タイトルはズバリ『「へこむ」を英語で言えますか?』(朝日新聞出版)。日本で25年以上に渡り英語の教授として活躍してきた、アメリカ出身のデイビッド・セインさんが書いた一冊である。

ちなみに先ほどの「へこむ」は「give in」。元々の意味である「落ち込む」から転じて、日本語の意味へと置き換えられている。同書では、日本語とフレーズ、関連する例文の紹介で様々な言葉を軽快かつ淡々と教えてくれるのだが、「へこむ」については下記のとおりである。

A)Everything is going wrong…(全部、悪い方向に進んでいるんだ)
B)Don’t give in. You have to be strong!(へこむなよ。強くならなきゃ!)

シーン別に様々な言葉が紹介される同書。日常的な表現として「ぶっちゃけ」「やばい」なんていう日本語も紹介されている。

◎ぶっちゃけ「to tell you the truth」
A)What do you think of her?(彼女ってどう思う?)
B)To tell you the truth,I’m not interested.(ぶっちゃけ、興味ないね)

◎やばい【良い意味】「too cool」
※「最高に良い」という意味なので「too nice」でもアリ。
A)Isn’t that guy so good looking?(あの男子、超カッコよくね?)
B)He’s too cool!(ヤバイね!)

では、これをいっそ応用してみたい。例えば、海外のYoutube動画を観てどうしても高ぶる感情を抑えられない。アップ主に心からの感動を、感謝と共に伝えたい。そんな時は、次のようにしてみればより最大限に伝わりそうである。つまり……

To tell you the truth,this is too cool!(ぶっちゃけ、ヤバイね!)

となるわけだ。他にも「ディスる」や「どん引き」などの砕けたイメージのある日常的なものや、「ゆるキャラ」や「ガラケー」などの流行や世相を占う言葉、さらに、「オワコン」や「常識的に考えて(常考)」などのネットならではのスラングまで、同書では網羅されている。

ネットはとりわけ世界とも繋がりやすい。日本の動画コンテンツに海外の人たちからのコメントが寄せられる例も見かけるが、だからこそ今このタイミングで、同書を手に取り世界の人たちとの交流を深めてみるのもよいかもしれない。

文=カネコシュウヘイ