松本幸四郎、今井翼、相武紗季出演の傑作ドラマ「ナイフの行方」が書籍化!

文芸・カルチャー

2015/6/16

  • ナイフの行方

 2014年12月にNHKで放送された山田太一脚本ドラマ「ナイフの行方」。松本幸四郎、今井翼、相武紗季など豪華俳優陣が出演したそのドラマでは、「人間は変わらない」「みんなが人間を信じすぎている」といったセリフが観る者の胸を深く突き刺し、今でも視聴者の心に強く残っている。その『ナイフの行方』が、書籍となって2015年6月19日(金)に刊行される。

 本書には、2014年12月22~23日に前後編合計146分で放送された「ナイフの行方」の書き下ろしシナリオをすべて収録。「男たちの旅路」や「獅子の時代」で山田氏と40年以上タッグを組んできた、元NHKの名プロデューサー・近藤晋が制作を統括した。

 またシナリオだけでなく、山田氏への1万字ロングインタビュー、そして、近藤プロデューサーによる5,000字解説が収録される。1960~70年代から良質なテレビドラマを探求し続けてきた2人の巨匠の言葉は、本作の解説を超え「ドラマとは何か」、さらに「人は何に救われるのか」を示唆するテキストである。

<収録内容>
・シナリオ(「ナイフの行方」前編・後編)
・プロデューサー近藤晋解説「回想シーンがまったくない“傑作”」
・山田太一ロングインタビュー「正義がどこにあるのか、分からない時代に」

  • ナイフの行方

    巻頭では直筆原稿の一部も掲載(全2点)

担当編集(滝本志野)コメント
「男たちの旅路」で山田太一ドラマを知り、「早春スケッチブック」や「ふぞろいの林檎たち」を夢中で見た、いちファンとして、「ナイフの行方」には衝撃を受けました。1990年代後半以降、連続ドラマではなく単発のスペシャルドラマを中心に書いている山田氏ですが、ここ20年で発表された単発ドラマの中でも強烈な見ごたえでした。特に後編の、主人公が過去を告白するくだりは、本書でも約16ページにわたるロングシーン。俳優陣の熱演もさることながら、セリフを読み返すだけで鳥肌が立つ壮絶な場面です。この場面のセリフを形に残したいと思い、今回の書籍化を企画しました。

若い頃に革命を志した老人と、無差別殺人を犯そうとした青年。ナイフを持って街中で人を刺そうとした青年を、なぜ老人は家に連れ帰ったのか…。後編で明かされる衝撃の事実については、山田氏および近藤晋プロデューサーによるロング解説で詳しく述べられています。また、2人の解説では制作秘話だけでなく、1970年代のTVドラマやドラマツルギーから、戦争、チェ・ゲバラ、日米安保、格差社会、民主主義の終焉など、昭和と現代を結ぶ様々な事象が語られています。ぜひシナリオとあわせて、示唆に富む2人の巨匠の言葉を楽しんでいただけたら幸いです。

「ナイフの行方」概要
ナイフで無差別殺人を犯そうとした若者(今井翼)を、剛腕の老人(松本幸四郎)が取り押さえて自宅に連れ帰るところから始まる前編、衝撃的な展開を見せる後編。放送当時より“異色作にして傑作”との高い評価を得た。「人間は変わらない」「みんなが人間を信じすぎている」という登場人物のセリフには作者の心情が表れ、現代社会へのメッセージに富む骨太の物語である。

■『ナイフの行方
著:山田太一
価格:1,400円(+税)
発売日:2015年6月19日(金)
体裁:四六判/並製/カバー・帯付き/本文192ページ/1色
出版社:KADOKAWA/角川マガジンズ
※電子書籍版も書籍と同時発売 1,200円(+税)

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