円の面積はなぜ「半径×半径×3.14」? 「仕組み」がわかれば算数は面白い!

科学

更新日:2020/5/7

 例えば三角形の面積がなぜ「底辺×高さ÷2」なのかは、いくら算数が苦手でも説明できる人は多いだろう。しかし円の面積がなぜ「半径×半径×3.14」なのか説明は難しい。そもそも円周率「3.14」とは何か?

 円の面積を求める公式を理解するには、まず丸いピザを切り分けていくつかの三角形にするように、円の中心を通るよう小さなピースに切り分けることから始めたい。そして上下半分ずつにして、切ったところを開いて▼▼▼▼と▲▲▲▲という形にし、さらにそれを▼▲▼▲▼▲▼▲となるよう互い違いに組み合わせる。するとそれは「平行四辺形」になるのだ。平行四辺形の面積の求め方は「底辺×高さ」だ。つまりこの場合の底辺の長さは「円周の半分」であり、高さは「半径」となる。

円の面積=平行四辺形の面積
    ↓
円の面積=底辺×高さ
    ↓
円の面積=円周の半分×半径

 ここまで理解できただろうか? 円周の求め方は「直径×3.14」だ。その円周の半分ということは、2で割ればいい。これを式にすると…

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円の面積=(円周÷2)×半径 
    ↓
円の面積=(直径×3.14)÷2×半径
    ↓
円の面積=(直径÷2)×3.14×半径
    ↓
円の面積=半径×半径×3.14

(直径÷2)とは半径のことなので、これで「半径×半径×3.14」という円の面積求める公式が導き出されるというわけだ。また円周率とは、円周の求め方「直径×3.14」からわかるように、大昔に「円周は円の直径のだいたい3.14倍」と計算してくれた人がいるのだ。

 算数というのは「なぜそれがそうなるのか」という仕組みがわかると、面白いように問題が解けるようになる。本書は小学生でも読めるようすべての漢字にルビがふってあり、何年生で何を勉強するのかのインデックスもあるので、「教えてほしい」と言われる前にプレゼントするのもいいだろう。もちろん算数が苦手な大人は、あの日挫折したことを取り戻すというノスタルジックな読み方もいいだろう。そこには意外な発見があって、算数って面白いなと思えるはずだ。ただ「なんで◯◯先生はこうやって教えてくれなかったんだ!」という恨み事になる可能性もある、かもしれないが。

文=成田全(ナリタタモツ)