新日本プロレスの学園マンガが笑えて、時にグッと来る―「真壁先生、ヒール学科の中邑ってどんな奴?」(棚橋)

マンガ・アニメ

2015/8/25

 新日本プロレスの人気レスラーたちが登場人物の学園4コママンガ『しんにち!』(まつもと剛志、新日本プロレス/白泉社)。先月発売された第1巻を読んでビックリ。この一冊を読めば今の新日本プロレスの大枠をほぼ網羅できると言っても過言ではない内容だ。

 舞台は「新日本プロレス高専」。プロレスを通して健全な肉体と精神を鍛える学校。主人公の棚橋弘至(胸キュンの学ラン!)は、“女子と部活”に惹かれてプロレス部に入部する。そこで出会うのが、ヒール学科の中邑真輔。真壁先生(※真壁刀義)に「ヒール学科の中邑ってどんな奴ですか?」と聞くと、「総合やら柔術やら、色々やってたらしいな。どにかく“強さ”にどん欲な奴だよ」という。ここでまず、中邑選手は「ヒール(悪役)」「総合格闘技などを経験」ということが押さえられる。もちろん、マンガでも“クネクネ”している。

 転入生・飯伏幸太は、普段の練習を見せてみろと言われ、校舎から飛び降りる。

「どうでした!? ボクの受け身!」(飯伏)
「あっ 受け身だったんだ! 自殺したのかと思った」(棚橋)

……実に飯伏っぽい。矢野通は場外反則お構いなしで大暴れ。オカダ・カズチカの決め台詞「とくにありません」、マネージャー・外道さんの「レベルが違うんだよ!」も忠実に再現。他にも、むっつりキャラの後藤洋央紀、女子マネージャーの永田子(永田裕志)、ライオンのぬいぐるみゴッチ(カール・ゴッチ!)など、キャラの濃い面々が登場する。「次巻はきっと内藤が出るに違いない。トランキーロ!」と予想するのも楽しい。

 笑えるポイント満載なのだが、グッとくるシーンもある。

「…後藤、どうしよ。スゲーわくわくする。この試合が終わったらひと回り大きくなれるんじゃないか。そんな予感がビンビンする!」(棚橋)
「こんだけ当ててんのに…! なに楽しそうに笑ってんだよ!? 今までどんな道場にもこんなヤツいなかったぞ!? なんだよ!? それがプロレスってことかよ!?」(中邑)
「“自分を誰よりも魅力的に見せる”! どんな手を使ってもいい。リングの上で最も輝いて観客をひきつける。勝者とは最後まで立っていた者ではなく、そういうレスラーのことを言うんじゃない?」(覆面女子レスラー)

 巻末では、新日本プロレスについて押さえておくべきポイントを解説。「新日本プロレスはアントニオ猪木が旗揚げして今年43周年」「現在、本隊、CHAOS(ヒールユニット)、BULLET CLUB(外国人中心のヒールユニット)3つで構成されている」「チャンピオンベルト・IWGPにはヘビー級とJr.ヘビー級(体重100kg未満)があり、Jr.ヘビーは派手な飛び技と素早い試合展開が見られる」など、基礎ではあるが“そう言えば最初ココつまずいた!”と痒い所に手が届く内容だ。

 実際の選手のキャラクター、選手やユニット間の抗争、過去の試合エピソード、名言、プロレスの基礎知識に加え、「プロレスとはどういうものか?」といった核心に迫る要素も盛り込まれている。「プロレスに興味があるけど何から始めていいか分からない」という人にオススメの一冊だ。

文=尾崎ムギ子