昭和のアイスは懐メロと同じ感覚で楽しめる!―『日本懐かしアイス大全』アイスマン福留さんインタビュー
公開日:2015/10/2
年間1000種類以上のアイスを食し、すべてのパッケージを保存、収集しているというアイス評論家・アイスマン福留さん。『宝石箱』『うまか棒』『三色トリノ』『レディーボーデン』といった懐かしアイスから、『ホームランバー』『ガリガリ君』といった超ロングセラーの歴代パッケージまで紹介する『日本懐かしアイス大全』(辰巳出版)は、そんな彼の収集・研究の成果が詰まった“昭和のアイスの一大クロニクル”だ。同書について、ご本人に話を伺った。
昭和には生きたカブトムシが当たるアイスもあった!
――ここ数年でも、『ガリガリ君』(赤城乳業)が「コーンポタージュ味」「ナポリタン味」などの変わったアイスを作って大きな話題を呼びましたが、本書で取り上げられている昭和のアイスには、もっと斬新なものがあって驚きました!『ラーメンアイス』『カレーアイス』『きつねうどん』(すべて赤城乳業)とか、『掘ったイモいじくるな!』(雪印)みたいなネタ的な名前のアイスとか。
福留 コンセプトが面白いもの、斬新なものが多かった……というのは、昭和のアイスの特徴の一つでしょうね。『ピーピーパーパー』(協同乳業)なんてフザケた名前の商品とか、生きたカブトムシやクワガタが抽選で当たる『カブト君とくわがた君』(赤城乳業)とか、今の時代じゃ許されそうにないアイスもありました(笑)。それは昭和のアイスが、子供向けに作られていたことが大きかったと思います。
――たしかに最近は大人向けのリッチなアイスや、女性をターゲットにしたローカロリーのアイスが目立ちますが、昔のアイスは“子供の食べもの”というイメージが強かったんでしょうね。
福留 ベビーブームがあって子供の数も多かったですし、子供の世界で完結した商品が多く作られたんでしょうね。それに昔は、アイスのテレビCMもたくさん放送されていて、子供たちはみんなテレビを見ていたから、誰もが知っている“国民的アイス”が数多くあったんです。ピンク・レディーが『キャッチ・リップ』というCMソングを歌って出演もした『宝石箱』(雪印乳業)や、山口百恵がCM出演した『フロート』(グリコ)などは、CMとセットでアイスを記憶している人は多いと思います。
――僕もこの本の『ジャイアントコーン』(グリコ)のページを見て、「そういえばジャイアント馬場さんがCMに出ていたな」と思い出しました。
福留 誰でも小さい頃は、何かしらのアイスを食べていたでしょうからね。特に40~50代の人なら、この本を読んで「ああ、こんなアイスあった!」と思い出すものが一つはあるはずです。