必要なのは「記憶脳」! 記憶力を10倍にするトレーニング方法とは?

スポーツ・科学

公開日:2015/11/11

『読むだけで記憶力がグングン高まる!』(樺旦純/KKロングセラーズ)
『読むだけで記憶力がグングン高まる!』(樺旦純/KKロングセラーズ)

 「記憶力に自信があるか」と聞かれ、YESと即答できる人は、どのくらいいるだろうか? ごく稀にすさまじい記憶力を持つ人もいるが、大抵の人は、“記憶する”という行為に苦労した経験を持っているのではないだろうか。覚えなければいけないことがなかなか覚えられなかったり、その一方で変なことは鮮明に記憶していたり、忘れたいことほど忘れられなかったり…。

 そんな記憶力を、大幅に向上させる方法が紹介されているのが、『読むだけで記憶力がグングン高まる!』(樺旦純/KKロングセラーズ)だ。

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 本書によれば、記憶力向上の鍵となるのは“記憶脳”。すなわち、記憶のメカニズムを備えた脳だ。これを鍛えることで、誰でも現在より記憶力が大幅に、場合によっては10倍近くもアップするとのことだ。「昔から暗記が苦手だったから…」とあきらめている人も、トレーニング次第では抜群の記憶力を手に入れられるかもしれない。

 著者は、記憶力を向上させるうえで大切なことは、記憶できると自信を持つことだと述べている。理由は、自信を持たないと脳の活動が抑制されてしまうためだ。さらに、周囲の物事に好奇心を持つことで記憶のチャンスがぐっと広がる。他にも、過去の実験から、意味づけをすると記憶に残りやすいことも実証されている。記憶をするという行為は頭を使うので、覚えたあとにすぐ睡眠をとると忘れにくいというデータもあるし、目で読むだけではなく、声に出したり手を使って書いたりして、五感をフル活用するのも効果的とのことだ。

 記憶力を高めるには、トレーニングも欠かせない。特に、自分の苦手分野を知り効果的に訓練することが重要だ。本書には、そのためのテストと記憶脳を作るための様々なトレーニングが紹介されているので、苦手分野を特定するためのテストを試してみた。

 テストは、図形・数字・短文・長文の4つのカテゴリーで構成され、それぞれの項目の正答数にしたがって得点をつけていく。

 結果は…図形記憶は20点満点中9点で、まずまず。短文記憶と長文記憶にいたっては、それぞれ20点満点中19点、10点満点中8点と、かなり良い結果だった。しかし、数字記憶は20点中1点というなんとも悲惨な結果! 確かに、数字に対する苦手意識はあるので納得の結果ではあるが、学生時代は理系だったし、どちらかといえば理数系は得意な方だった。テストをする前も、実は割と自信があったのだが、その自信は無残にも崩れ去る結果になってしまった。

 この結果にショックを受けていないといえば嘘になるが、あくまでも大切なのは自分の傾向を知ること。しかも著者によれば、トレーニングを行えば誰でも記憶力は大幅にアップするとのことなので、これからはコツコツとトレーニングを行い、記憶力アップをはかりたいところだ。

 さらに、記憶脳を鍛えると同時に、その活性化も大切だそう。特に左脳が疲労すると記憶力の減退につながるため、右脳も使えるように、日頃から左半身を動かす運動などを取り入れると良さそうだ。他にも、脳の風通しを良くして心を落ち着けるための呼吸法や大脳をゆっくり休める瞑想法など、記憶脳を活性化するアプローチも実に豊富。秋の夜長に、リラックスをしたり、頭を使うトレーニングを行ったりして、記憶脳を鍛えてみてはどうだろうか。

文=松澤友子