温暖化はウソ? 寒冷化がホント? 世界の気候はどう変わっていくのか

科学

公開日:2015/12/10


『地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ』(深井有/平凡社新書)

 地球温暖化によって、南極の氷が減るはずが増えていた――というニュースを聞いて驚かれた人は多かったのではないだろうか?

 本書『地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ』(深井有/平凡社新書)を読めば、その根拠は明白だ。そもそも私たちが今まで信じてきた地球温暖化とCO2排出量はまったく関係なく、地球が暖かくなってきたのは、ひとえに太陽の活動が活発だったからに他ならない。「そんなのは嘘だ!」と衝撃の事実を告げられて、にわかにはその真実を受け入れられない人の方が多いだろう。ただ、残念なことに、これまで私たちが信じこんできた「地球温暖化」と「CO2」の関連性はウソだということが、この本では検証データも含めて解説されている。

 この30年あまり「地球は温暖化している」と言われているが、地球の温暖化は300年以上も前からはじまっているのだ。しかも、「地球は温暖化している」と言われてからは、極端に気温は上昇しておらず、統計データによると、気温は横ばいで大きく変化しているわけではない。

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 さらに最近ではCO2の排出量とは関係なく、気温が下がることが懸念されている。これは、何も我々が地球にやさしい生活をして、CO2の排出量を減らしたからでも何でもなく、ただ単に太陽の活動が弱くなって、小氷河期を迎えているからに過ぎない。

 そう、地球はCO2によって温暖化などしておらず、太陽の活動が弱まったことで、気温が低くなろうとしているのだ。今での私たちの認識とは真逆の真実が本書では明らかにされている!

 今、世界では太陽の活動が弱まる“地球寒冷化”によって引き起こされる問題について、解決策が叫ばれつつある。世界はもはや温暖化の危機よりも、寒冷化の危機に気づき怯えている。

 これからドンドンと地球が寒冷化することで、食糧不足が深刻になり、人類は食料と水資源不足の奪い合いを行うと米国の国防総省は2003年の時点で、すでに懸念の声をあげていた。その懸念が、今まさに現実のものとなりつつある。外国から多くの食料を輸入している日本にとって、これは決して人事などではない。

 事実、南極の氷が増えたように、地球はこれから今までの考えとはまったく逆に、ドンドンと寒くなっていくことが予想されている。そのため植物は育たなくなり、水資源もどんどんと枯渇していき、我々人類は寒冷化によって、新たな局面に立たされることになるだろう。

 このまま地球温暖化のウソに日本が振り回されていては、最悪の事態は避けられない。このまま、いつまでも「地球は温暖化している」というウソを鵜呑みにし続ければ、私たち日本人は手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう。

 今や世界の国々の中で、真剣にCO2削減を考えているのは日本だけだ。これは決して褒められた状況ではない。いつまでも地球温暖化のウソに、人も金も使われているのだから、今すぐにでも地球温暖化に対する認識を180度改め、目前まで迫っている地球寒冷化について、対策をとるべきだ。

 そして、日本全体が地球温暖化のウソから目覚めた時、政治や経済、科学はこれから大きく変化することになるだろう。今までCO2を減らすことが重要視されていたが、これからは排出されるCO2を減らすのではなく、有効活用されることに、注目が集まってくることになる。

 果たして、この大きな変化を迎えるとき、日本は一体どうなってしまうのか。培ったCO2削減の技術をどうやって活かすかは、これからの課題になってくるに違いない。

文=山本浩輔