エンタメ業界に新風! 続々メディアミックスされる“フリーゲーム”人気は女性が支えていた

マンガ・アニメ

2015/12/26

フリーゲーム小説

 近年、女性を中心に人気が広がるフリーゲーム。

 『ゆめにっき』、『魔女の家』、『霧雨が降る森 』など、人気タイトルが次々とノベライズ、コミカライズされ、ムーブメントの先駆けとなった『青鬼』にいたっては実写映画化まで果たしている。

 本日コミックス第1巻がそれぞれ発売された『獄都事変』(漫画:あおのなち 原作:リンネ堂 原作協力:SUNPLANT)、『大海原と大海原』(海底囚人)も人気フリーゲーム発の作品だ。

 そもそも、なぜ今フリーゲームが人気なのか? 女性に人気となった背景は何か? についてフリーゲーム情報誌『ほぼほぼフリーゲームマガジン』担当編集・新矢洋平氏に聞いた。

ほぼほぼフリーゲームマガジン

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フリーゲームに求められるのは”ストーリー”や”世界観”

――最近フリーゲームが注目されています。いつ頃から人気が出始めたのでしょう?

 もともとフリーゲーム自体は男性を中心としたムーブメントでしたが、ここ4~5年で動画サイト内の、いわゆる”実況プレイ動画”といわれるジャンルで取り上げられるようになり、女性の間でもじわじわと人気が上がってきました。今では動画サイト内でなくてはならないコンテンツにまで成長していると思います。

――”実況プレイ動画”の影響が大きいんですね。

 そうですね。あとはゲーム開発ツールの普及も大きいです。無料のものも数多くあり、手軽にゲーム制作をできるようになったことでフリーゲームそのものの数やジャンルが大幅に増え、最近では10代の女の子が一人で作ったゲームも珍しくなくなりました。

――すそ野が広がったと。

 女性ファンが増えたのは、やはり実況者の影響が大きいです。人気実況者の多くは男性ですが、近年、女性ファン(特に10代~20代前半)が激増していて、30万人を超えるコミュニティメンバーを抱える実況者もいます。彼らの動画を見ることではじめてそのフリーゲームを知ったという方も多いのではないでしょうか。

――ところで、なぜ実況者の方たちはフリーゲームに注目したんでしょう?

 いろいろな理由の中でも、著作権の問題が大きいと思います。”実況プレイ動画”は人気がありますが、商業ゲームの中で公に”実況プレイ動画”を認めているものは少なく、著作権的にはグレーな状況。つまり、自分の動画がいつ権利者削除されるか分からないというリスクがある。

 一方、フリーゲームは作者が認めていることが多いので手に取りやすいのでしょう。さらに、まだ無名のフリーゲームを紹介することで他の実況者たちと差別化できるという利点もあります。視聴者もそのタイトルの予備知識をほとんど持ってませんから、新鮮な気持ちで楽しめるみたいですね。

――なるほど。ではどういったゲームが人気になりやすいのでしょうか?

 現在人気なのはホラーアドベンチャーですね。RPGのレベル上げのような作業部分が少なくテンポ良く進行できる点が”実況プレイ動画”に合っているのでしょう。その中でも人気が出るのは、謎めいた世界観設定やストーリー展開を兼ね揃えた作品です。ゲーム性というよりかは、いかに物語要素で視聴者の大半を占める女性の心をつかむかが大きいのかなと。物語要素がしっかりしているので、ノベライズやコミカライズもしやすいのだと思います。

――コミックスが発売された『獄都事変』や『大海原と大海原』もそれらの点が評価されているみたいですね。

 『獄都事変』の魅力は、ストーリーや世界観もさることながら、登場する”獄卒たち”のキャラクター性です。とはいうものの、ゲームの中ではキャラクター設定自体が細かく説明されている訳ではないんですよね。また、ドット絵なので、それぞれのビジュアルもあまり変わらない。ただ、ゲームを進めていくとそれぞれの性格はバラバラで、ひとつの仕事に対する姿勢もまちまちであることが会話劇から明らかになってきます。

 個性豊かな獄卒たちが織りなす物語とホラーな展開に引き込まれてしまった女性は多いのではないでしょうか。コミックス版はゲームでは語られていないキャラクターの側面も見えるので別の楽しみ方ができると思います。

獄都事変

獄都事変

漫画:あおのなち 原作:リンネ堂
原作協力:SUNPLANT

「許されざる者には罰を。」閻魔庁の<特務室>に所属する「獄卒」の斬島は上司の肋角から「亡者を捕まえろ」との任務を受ける。斬島は、亡者が逃げ込んだという怪談の棲む廃校へ向かう――…。 大人気ホラーアドベンチャーゲームがついにコミック化! 
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 『大海原と大海原』は他のヒット作品とは少し事情が違います。もともと制作者の意向により実況プレイはNGとなっており、許可されているのは外国語に訳された翻訳動画しかないんですよね。だから人気のきっかけが”実況プレイ動画”ではない。ゲーム自体の面白さで、男女関係なく国内外に口コミで広まったのではないでしょうか。

 この作品も、ストーリーの良さに対し戦闘の難易度はそれほど高くなく、小説を読むようにサクサクと物語が進行していきます。『獄都事変』同様にキャラクター同士の会話劇がしっかりと作り込まれているので、ファンタジーな世界観と相まって広く支持されているのでしょうね。コミックス版は制作者自らが手がけてるのもファンにはうれしいところです。

大海原と大海原

大海原と大海原

海底囚人

生まれ故郷である海に、魔女「大海原(わだのはら)」が使い魔たちと帰ってきた。しかし彼女の前に、元使い魔の「鮫吉(さめきち)」が立ちはだかる。海を舞台に紡がれていく、可愛いけれど切なくてちょっとダークな物語――。世界中でファンを獲得しているフリーゲームを、制作者自らが圧倒的才能でコミック化!!
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 新矢氏も指摘するように、”実況プレイ動画”の流行でフリーゲームの人気の鍵は”ストーリー”や”世界観”になってきている。今後も続々とフリーゲーム発のノベライズ、コミカライズが発表されており、今後の盛り上がりに大注目だ。


©リンネ堂・SUNPLANT・あおのなち/KADOKAWA
©海底囚人・SUNPLANT/KADOKAWA

 

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