90万部突破、TOEIC対策のテッパン本!「5つの文型」をマスターすれば英語力がUP!

ビジネス

更新日:2016/3/14

『中学・高校6年間の英語をこの1冊でざっと復習する』(稲田 一/KADOKAWA)
『中学・高校6年間の英語をこの1冊でざっと復習する』(稲田 一/KADOKAWA)

 いきなりだが、中学2年生レベルの質問をまずは紹介したい。

Q:目的語に動名詞しか取れない動詞を3つ答えよ

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 正直、「動名詞」という単語の意味すら忘れていないだろうか。動名詞とは、動詞に「ing」を付けることで、名詞と同じ働きをする単語のことである。

A:play、write、help、enjoy、finish、mind、give up…など

 中学、高校、大学と10年間も英語を習ってきたはずなのに、ホントに簡単な日常会話すら満足にこなせない……。残念ながら、これが私たち一般的日本人の英語力の正直なところだ。英語を公用語にする企業ほどではなくとも、グローバル化や2020年東京オリンピックに向けて、英語が必要な業種、場面は増えこそすれ、減ることはあり得ないのはもはや事実だろう。

 そんな危機感を抱いているけれども、いままでうまくいかなかったし、と英語の習得を諦めかけていた人にぜひ手に取ってほしいのが『中学・高校6年間の英語をこの1冊でざっと復習する』(稲田 一/KADOKAWA)。

中学英語ができなければ、TOEICの点数は伸びない!

 著者の稲田一氏は「稲田式やり直し英語」シリーズが累計100万部を突破しているカリスマ塾講師。英語につまずいた多くの生徒を見てきた経験から、社会人の英語再学習にもっとも 効率的な方法は、中学3年間の英語を総復習することがポイントと断言する。

 しかしなぜ、中学英語なのか。先の質問をTOEIC500点台のビジネスマンにも向けてみたという。その結果は、みなさんと同じ通り。

 TOEIC500点台とは、“日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる範囲”の英語力を持っているはずである。それなのに、なぜ答えられないのか。

「基本中の基本である中学英語が理解できていない限り、いくらTOEIC対策のテキストで勉強しても砂上の楼閣で、何回テストを受けても決してスコアは上がりません」

 そう著者の稲田氏は語る。

中学英語は5つの文型に集約される

 では英語の基本の中学英語とはなにか。それは文法をたった「5文型」覚えるだけだという。「主語+動詞」の第1文型にはじまり、もっとも複雑な第5文型「主語+動詞+目的語+補語」でもこの程度。

基本の5文型
第1文型 「主語+動詞」
 I am a student.
第2文型「主語+動詞+補語」
 I am happy.
第3文型「主語+動詞+目的語」
I wrote a letter.
第4文型「主語+動詞+間接目的語+直接目的語」
I bought him a pen.
第5文型「主語+動詞+目的語+補語」
I call him Tom.

 これくらいなら、すんなりと頭に入ってくるはずではないだろうか。つまり、中学で学んだ、頭の中に残っている記憶の断片を体系化することで、複雑な英文もすんなり理解できるようになるというのだ。多少は、高校で習う英語でも補うが、基本は中学英語。中学英語さえできていれば、土台がしっかりと築かれているというもの。

 英語学習を続けても長続きしない、スコアが伸び悩んでいる。そんな人は、中学英語をおざなりにしていないだろうか。

 思い当たる節があるのなら、本書を手に取ることをお勧め する。本書は大きく分けて1日1章ずつ、10日で10章をこなせるように構成されている。ゆっくり2度読み返しても1章あたり2時間以内。忙しいビジネスマンにとって適切な分量になっている。

たった10日で6年を振り返る

 文法のおさらいが狙いのため、初日は忘れていた文法用語に愕然とするだろう。三単現のs、be動詞ってなんだったっけ…と。だが2日目は時制、3日目は助動詞、命令文と進むにつれ、徐々に昔の記憶が蘇ってきて、ペースも 上がってくることを実感できるはずだ。

「やり直し英語本の金字塔は挫折知らず!」という自信ありげなコピーは本当か、ぜひ確かめてほしい。

 学習とは孤独な作業だが、このテキストには伴走者も付いている。本書を出版した、KADOKAWA語学書編集部では、ツイッターで学習する人を応援。公式アカウント(@gogaku_KADOKAWA)では、本書から毎日1題出題するという企画もスタート。最後まで続ければ中高6年間の英語がおさらいできるダイジェスト版にもなっている。

 英語に関して、藁にもすがる思いがあるのなら、とりあえず本書を手に取ってみて損はない。ベストセラーの看板に偽りはない。

文=坂東太郎(id-press)