猫と人との間に「かわいい」循環を生む写真集『続 うちの猫ら』

文芸・カルチャー

2016/1/21

 「世界で一番かわいい猫は?」との質問があれば、鼻を膨らませ、スマホに撮りためたベストショットを見せる準備をしつつ「うちの猫」と答えるのが、猫飼い主の流儀といっても差し支えないものと思われます。それはつまり、「世界一かわいい猫」は世界のそこかしこに存在する、猫飼い主の数ほどにいるわけであります。

 なぜ、うちの猫がかわいいのか。こう思ったら、猫飼い主の思考は一点に注がれます。「かわいい」理由を探すのではなく、「かわいい」から生じる結果がすべて「かわいい」の原因となる、かわいいの循環取引。永遠に回り続けるこのグルグルは、猫をかわいがる分には違法性はないため、私も含め盛んに行われているのが現状です。「日なたぼっこで眠っているだけなのにかわいい、それはうちの猫だから」みたいな感じのアレです。

 あふれ出す「わが家の猫愛で」の奔流を書籍で感じられるのが、圧倒的な枚数で攻める『続 うちの猫ら』(吉松文男・直子/オークラ出版)。文庫版となったこの本は、既刊の『おかき本』『うちの猫ら 3』と、文庫版撮りおろし(書きおろし)が合わさったもので、年始の猫分補給に適したおトク感あふれる猫写真集です。


 10匹以上の猫が登場するこの本の主役格は、カバーの表紙を飾る「ようかん」君。本書を読み進めていくうちに、他の猫たちとは、明らかに異なるたたずまいというか、扱いをされているのがわかります。それは「三枚目」のポジション。表紙に採用された写真も、どことなくおっさん風ですし、黒目がちな決め顔が並ぶ中で、ようかんだけは半眼写真だったり…。


 でも、ジャニーズのアイドルグループにだって、イケメンが何人も集まれば、オトボケ非イケメン枠があるのと同じようなもので、しかも、そこに人気が集まったりするものです。ようかんには、そんな魅力と飼い主さんからの愛情を感じられます。



 そして、数あるかわいい猫写真を見るうちに、わが家の猫の顔が脳裏に浮かび、しおりを挟んで、猫と遊びたくなり、ひとしきり遊んだら、また続きを読みたくなる。そのような新たな循環が生まれるのです。


文=猫ジャーナル