『ONE PIECE』80巻! ついに始まる海賊の歴史上最大の覇権争い!まじか…ウソップの嘘が真実に変わる時!?

マンガ

公開日:2016/2/16


『ONE PIECE』80巻(尾田栄一郎/集英社)

ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)は1997年に連載を開始して以来順調に巻数を伸ばし、2015年12月28日、ついに80巻が販売された。80巻というとべらぼうに長いイメージだが、日本で単行本100巻を超える作品は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本 治/集英社)の197巻(2015年12月時点)、『はじめの一歩』(森川ジョージ/講談社)の112巻(2015年11月時点)などがある。やっと物語中盤に差し掛かった、という『ONE PIECE』もこのまま順調に巻数を増やし、100巻200巻の大作になることも十分可能だ。大いに期待したい。

 さて、記念すべき80巻、800話ということで物語は怒涛の展開を迎える。なんと! ルフィが大船団の大船長になるというのだ。ドレスローザ編でコロシアムの戦いがやたらと詳しく描かれていたのが謎だったが、ここにきてようやく腑に落ちたという訳だ。前々から海賊王となることがルフィの目標だが、世界政府に真っ向から喧嘩を売り、四皇ににらまれ、読者としては正直戦力不足を感じていた。が、ここにきて一気に巨大な敵と対抗しうる新たな力を手に入れることに成功したのだ。といってもルフィの思惑とは全く違うところで話が進んでしまい、ルフィの了承を得ることなく勝手に子分と名乗って皆がついてくる、というのがいかにも「麦わらの一味」らしい。

 今回麦わらの一味の子分として名乗りを上げた海賊団の船長は7人。まさかあの人が?と思う顔ぶれも多々あり、意外性が面白い。いずれも麦わらの一味の仲間として相応しい、個性あふれる船団だ。これにより総勢5600人超えの“麦わら大船団”が結成された。様々な特徴を生かした彼らの今後の活躍にも大いに期待したい。

advertisement

 ここにきて思い出されるのがウソップのこれまでついてきた嘘の数々だ。ウソップは嘘を真実にする男としてもファンの間で発言が注目されている。そんな彼がルフィと出会った当初に、「大海賊団を率いるウソップ」「俺には8千人の部下がいる」と言っていたのを覚えているだろうか(1億人、8千万と言っていたこともある)。現時点では8千人には及ばないものの、麦わらの一味に忠誠を誓う総勢5600人超えの部下ができた。そして、彼らが子分となった経緯には“ゴッド”ウソップの活躍によるところも非常に大きい。巨大金魚を食べる小人族も実在し、着々とついた嘘を実現しているウソップ。彼の今後の発言にも注目が集まるところだ。

 一方インペルダウンに護送されるドフラミンゴは海賊の歴史上最大の“覇権争い”を高らかに宣言する。「四皇」や「七武海」をはじめとする力のある海賊たちのもとに集結しつつある「最悪の世代」、圧倒的な戦力の「海軍」に暗躍を続ける「革命軍」。いまだ謎に包まれた「Dの一族」とはいったいなんなのか。海の猛者たちは誰に従い誰と闘うのか。そして物語は「ゾウの国」へ。ドレスローザで目立った活躍のなかったサンジにここへきてまさかの展開が…! ナミの流す涙の理由とは? 曲者ぞろいの新キャラも続々登場して益々目の離せない80巻。「麦わらの一味」の快進撃はまだまだ続きそうだ。

文=朝倉志保