寝かしつけの決定版! なかなか寝ない子でも、眠たくなる魔法の絵本

出産・子育て

2016/2/21


『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(カール=ヨハン・エリーン:著、三橋美穂:監修/飛鳥新社)

 子どもを寝かしつけるのに苦労する親は多いのではないだろうか。その悩みを解決してくれる寝かしつけの絵本が、スウェーデンから日本に上陸した。それが『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(カール=ヨハン・エリーン:著、三橋美穂:監修/飛鳥新社)である。

 この絵本は、なかなか眠りにつくことのできないうさぎのロジャーが、物語に出てくる様々な眠たげな人と出会い、段々とロジャーも眠たくなって、ついには眠ってしまうというものだ。

 効果を疑ってしまうような物語だが、購入者の反響はものすごく、ネットなどでは「この本を読んであげたら、10分もしないうちにぐっすり」(4歳児の父、38歳会社員)、「『お布団でロジャー読んで』と言うほど、子どもが気に入った」(5歳児・3歳児の母、29歳主婦)など、絶賛の声が上がっている。

 それもそのはず、著者は、スウェーデンの行動科学者のカール=ヨハン・エリーン。翻訳は、快眠セラピストの三橋美穂。スペシャリストたちが書き上げた珠玉の寝かしつけの絵本なのだ。出版したアメリカ、イギリス、フランスでAmazon総合ランキング1位を獲得。今後、世界40か国での翻訳も決まっている。

 実際に、『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』を開いて読んでみると、眠たくなってしまうような仕掛けが随所にちりばめられている。まず、普通の絵本には見られない【あくびをする】などの、本を読む親に向けた指示が書いてある。そして、【なまえ】という表記があり、そこに子どもの名前を入れて読むことができる。

おねがい、とロジャーが答えます【あくびする】。「ぼくたちのこと、眠らせてほしいんです、いますぐ。ぼくと【なまえ】のふたりともです」

 このように、主人公であるロジャーと子どもが一緒にストーリーを体験できる工夫がなされているのだ。さらに、素人の私でもわかるような心理テクニックがいくつもある。舌を巻いた内容が以下の3つだ。

すると、おかあさんうさぎはロジャーときみに、「考えごとをぜーんぶ、頭の中から取りだして、おふとんの横にある箱に入れちゃうのはどう?」と教えてくれました。

ウトウトフクロウはつづけました。「体ぜんぶをおもくしちゃいましょう。おもくておもくて、地面に体が落ちてしまいそう。落ちていく、落ちていく、落ちていく。そう、はっぱが枝から落ちるみたいに、地面にゆっくりと、落ちていく、落ちていく、落ちていく、ゆっくり落ちていく。風に吹かれながら、ゆっくり、ゆったり落ちていく。ゆっくり、ゆったり、落ちていく、落ちていく、落ちていく。ほらね、まぶたがおもくなってきた。」

数を数えながら、お子さんに向けて目に見えない薬をまくふりをしてください
「3、2、1、ねむたーい、ねむたーい、もう寝ちゃった」

 特に、2つ目の「ウトウトフクロウ」のセリフは、自律訓練法というテクニックだという。意識的に体を緩ませながら眠りやすくする方法で、医療現場でも使われているとか。専門的な心理テクニックが綿密に織り交ぜられたストーリーで、音読を聞かなくても、目で追って読んでいるだけで眠たくなってくる。子どもだけではなく、大人も同書を読み聞かせされると眠たくなるだろう。

 同書は、子どもの寝かしつけを目的に出版されているが、同書の終わりの「監訳によせて」にて、快眠セラピストの三橋美穂さんがこう述べている。

物語に感情移入して読み聞かせていると、ママやパパも途中で眠くなってしまうかもしれません。ときには、お子さんと一緒に眠ってみてはいかがでしょうか。ついイライラして気持ちに余裕がなくなるのは、睡眠不足が影響していることが多々あるからです。

 世界的な調査によると、日本人の睡眠時間は大人も子どもも世界屈指の短さだ。ストレス社会と叫ばれている日本社会で、睡眠を確実に取るスキルは必須である。同書を子どもに読み聞かせることで、子どもの寝つきが良くなるだけでなく、働くお父さんもお母さんも睡眠がとりやすくなるのだ。子育ての味方であり、働く親の味方とも言える。子どもの寝かしつけに困っている方には、ぜひおすすめしたい1冊だ。

文=いのうえゆきひろ