「嫌いな男の砂糖より、好きな男の塩がいい」こじらせてばかりいないで素直になれる”恋する女の深い言葉”【マリリン・モンロー、乙羽信子、マツコ・デラックス…】

恋愛・結婚

2016/4/15


『恋する女(ひと)のいい言葉』(大原千:著、柴門ふみ:監修/PHP研究所)

 セックスシンボルとして、世界中の男性に愛されたマリリン・モンローの言葉。

「愛とは信頼。人を愛するときは完全に信じることよ」

 3度の結婚、ケネディ大統領をはじめ多くの男性遍歴、華やかな名声の裏には、幼少期からの愛情に飢えた孤独がいつもつきまとっていた。睡眠薬を飲んで36歳の若さで亡くなった彼女が男性に求めたものは、父親がわりの「愛着」だったのか…。

 憂いを含んだ美しい女の横顔、鏡の向こうにもう一人の自分が映っている。映画のワンシーンのような表紙のこの本は、『恋する女(ひと)のいい言葉』(大原千:著、柴門ふみ:監修/PHP研究所)である。

 女に小さく(ひと)とふり仮名を振っていることで、恋する女を洗練させ、品位のある印象を与えている。大ヒットドラマ『東京ラブストーリー』の原作者、柴門ふみ氏の監修となれば、女性は思わず手に取りたくなるだろう。

 サブ・タイトルの「嫌いな男の砂糖より、好きな男の塩がいい」とは、昭和の名女優、乙羽信子の言葉だ。運命の人との出会いは、尊敬から始まり、不倫、略奪を越えて後に結婚。揺るぎない生涯の愛を掴んだ彼女にしか言えない名言ではないだろうか?

 その他、ココ・シャネル、エディット・ピアフ、瀬戸内寂聴、ダイアナ元イギリス皇太子妃、松田聖子、宇野千代、川島なお美、オノ・ヨーコ、大竹しのぶ、桃井かおり、マドンナなど、恋する女(ひと)は錚々たる顔ぶれだ。

 名声を得て、同世代にとって憧れの存在であったある彼女たちが、ひとりの女性として悩みながら、自由に、正直に生きてきた恋愛観を独特の言葉で紡ぎだす。限られた人生を味わいつくすかのように、情熱的に恋した女(ひと)たち。

「恋の力」「結婚」「運命の人」「別れ」など、各章のテーマで分けられたその名言とエピソードは、クールな潔さと、女の可愛さ、せつなさが同居しており、読む者を惹きつける。

 全編で恋愛する勇気や力を感じさせる前向きさがある中で、ほっとできるこんな言葉もあった。

運命の人は必ず現れる。彼は今ごろアフリカあたりにいて、しかも、徒歩でこっちに向かっているに違いないわ

 こう言ったのは、アメリカのテレビ司会者、オプラ・ウィンフリーである。運命の人をあきらめずに待ちましょう、という彼女の言葉には、恋をしたいけど相手が見つからないという人の、焦る気持ちを落ち着かせてくれる名言だ。

 60名に及ぶ女たちの深い言葉を堪能した後は、最後の7章目に特別編が用意されていた。マツコ・デラックス、美輪明宏、美川憲一による「大人の女性になるための」いい言葉だ。人生の酸いも甘いも知り尽くしてきた最強の3人から贈られる言葉には、性を越えて強く美しく生きるための究極のアドバイスが。

大人の女の別れ方――黙って彼に銀行口座を教えてあげる

 とは美川憲一の「お金をちょうだい」という歌からのエピソード。愛し合った男女の別れをシビアに現実的に表した言葉である。

 さらに、それぞれの章の前には、永井荷風、シェイクスピア、モーパッサン、寺山修司ら男性たちの名言も挟まれており、そのコントラストは絶妙だ。

 太宰治の言葉、

愛は最高の奉仕だ。微塵も自分の満足を思ってはいけない

 は、女たちの一方的で、妄想しがちな恋の熱を少したしなめているようにも感じられる。

 最期まで女性であることを楽しんだ、向田邦子。

 嘘のない気持ちで相手に飛び込んだ、瀬戸内寂聴。

 愛されることが若さの秘訣という、マドンナ。

 自由を奪われる恋愛は面倒、傷つくのがイヤだと、恋することに消極的になっている女性が増えている今、監修者の柴門ふみ氏は「せっかくこの世に生を受けたのですから、恋愛しないなんて勿体ない」と名言集を通してエールを送っている。ハードルを低くして、簡単に考えたら恋は案外、身近にあるのかもしれない。恋愛は条件ではなく、感受性でするもの。1ページずつのドラマの中に、女を磨くためのヒントがきっと見つかるはずだ。

文=藤本雪奈