野菜ぎらいな子供も大喜び!?食育にも最適な絵本『やさいのがっこう』――おいしくなるためにやさいもがんばってるよ!
更新日:2016/6/3

カラフルな野菜たちが楽しそうに笑っている表紙の絵を見て、もうすぐ4歳になる娘が言いました。「わあ〜、おやさいいっぱいだねぇ。トマトがすべりだいしているね!」
そして、ひとつひとつ知っているやさいを指さしながら、名前を言い当てていきます。
「これはキャベツでしょ。あとピーマン、ナス、きゅうり、じゃがいも。んーとこれはえだまめ、にんじん、とうもころし!」おきまりの言い間違いにママがクスクス笑うと、娘もニンマリ。
「さあ今日は、Mちゃんが好きなやさいがたくさん出てくる絵本のはじまりはじまり〜♪ 『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』っ書いてあるけど、どんなお話かな?」
そう言って読み聞かせをはじめると、興味津々でページをのぞきこむ娘からいろんな反応が返ってきました。

今回ご紹介する作品は「そらまめくん」シリーズや「くれよんのくろくん」シリーズなどの人気作で知られる絵本作家・なかやみわさんの新刊です。主人公のとまとちゃんはやさいのお友だちと一緒に、なすび先生がいるやさいのがっこうに通っています。
このがっこうでは、「つやよし!」「いろよし!」「かたちよし!」のみっつの「よし!」がそろうと合格シールをはってもらえます。シールはおいしいやさいになったしるしで、トラックのおじさんが迎えにくるのです。
最初にシールをはってもらったのはきゅうりくん。「はやく、やおやさんに いきたいね!」「つぎの おむかえは、だれかしら?」とみんなが話しはじめると、えんどうくんが「つぎは、とまとちゃんだと おもうよ!」「だって、おおきくて まっかだもん!」と言ってくれました。
でも、とまとちゃんはまだあたまがあおくて、なすび先生から「あとすこし、にっこうよくが ひつようね」と言われてしまいます。
すると娘とこんなやりとりが……。
娘「トマトは、まっかにならないとおいしくないんだよね! まっかになるとあまくなるんだもんね!」
母「うん。あかくなるためには、にっこうよくがひつようなんだよ」
娘「にっこうよくってなあーに?」
母「おひさまの光をたくさん浴びることだよ。Mちゃんもベランダでプチトマトを育ててるでしょ? 今はまだ葉っぱだけど、あおいトマトの実がなったらたくさんにっこうよくさせてあげようね」
娘「うん、わかった! Mちゃん、おいしいトマトに育ててあげる!」
でも絵本の主人公のとまとちゃんは、たいようをあびたくてもあびることができません。なぜなら毎日くもりぞらが続いているからです。すると、おひさまをあびなくても元気なクレソンくんとみょうがちゃんやってきて、あの手この手でとまとちゃんのあたまをあかくしようとがんばるのですが……。
どれも失敗に終わってなすび先生に叱られてしまいました。
そのときの我が娘の反応はというと、「あぶないことしちゃいけないんだよねぇ」、「いたずらしちゃいけないんだよ!」、「てるてるぼうずをぶらさげたらおひさま出てくるんじゃない?」と、まるで自分が先生気取り。思わず吹き出してしまいました。
結局、とまとちゃんもほかのやさいたちも、じっくりゆっくりおいしくなるのを待つのがいちばんだと気がつきます。最後に私が「おいしいやさいになるために、みんながんばってるんだね!」と言うと、娘が「Mちゃん、やっぱりおやさいだーいすき」とニッコリ笑いました。
都会ではスーパーで売られていて、毎日当たり前のように食べているおいしいやさいたち。そんなやさいたちも、おいしくたべてもらうためにがんばっているということが、ほのぼのとしたストーリーとイラストでよくわかる『やさいのがっこう』。
やさいが好きな子はもちろん、やさいギライの子どもでも、かわいいやさいたちのことがもっともっと好きになることでしょう。
文=樺山美夏