エッセイ漫画がSNSで人気の理由とは? 出版業界にも新たな動き

マンガ・アニメ

2016/6/13

ピクシブエッセイ

 近年、日常の出来事や実体験をベースにした「エッセイ漫画」がSNSを中心に人気を集めている。

 ネット上で話題となった作品は書籍化されベストセラーになることも多く、累計発行部数150万部を突破、3月まで実写ドラマが放送されていた『ニーチェ先生』(画:ハシモト/原作:松駒)は、もともとコンビニ店員によるTwitterでの投稿を漫画化したもの。同じくTwitterで人気の飼い猫との日常漫画を書籍化した『鴻池剛と猫のぽんたニャアアアン!』(著:鴻池 剛)は累計発行部数32万を超えるヒット作になるなど、様々なジャンルの作品が登場しているのだ。

 そんな時流を受け、イラストコミュニケーションサービスの最大手pixivと出版社KADOKAWAのコミックエッセイ編集部とがコラボレーションしたWEBコミック誌「ピクシブエッセイ」が6月13日に創刊した。

 「ピクシブエッセイ」担当のpixiv・石井真太朗氏によると、pixivでも時折大変な支持を集めるエッセイ漫画があるという。御手洗直子さんによる『31歳同人女が婚活するとこうなる』や、村上竹尾さんによる『死んで生き返りましたれぽ』などは、更新される度にランキング上位となるような大人気シリーズだそうだ。

 石井氏は「pixivの”SNS”という性質が、そもそもエッセイ漫画と相性がいいのだと思います。ピクシブエッセイで連載する『腐女子のつづ井さん』も投稿され始めてまもなく大変な支持を集めていました。リアルの場所では語れない、クリエイターの、オタクの本音が、pixivという場所で特に求められているのかもしれません」と分析する。

 「コミックエッセイで言えば、”ネット発のエッセイ漫画”は既にジャンルの中核を担いつつありますね」

 こう語るのは「ピクシブエッセイ」編集部のKADOKAWA・山崎旬氏。「ブログ、pixiv、Twitterはもちろん、noteやInstagramでもエッセイ漫画を投稿する人気ユーザーが現れています。テーマが作者の身の回りの出来事や体験なので、作者と読者の距離が近くて、共感度が高い作品だとあっという間にネット上で拡散されていく」とのこと。

ピクシブエッセイ
『腐女子のつづ井さん』の著者つづ井さんもSNSへの作品投稿は、「小さい頃から描いていた絵日記の延長線というかんじで、なんとなしに描いたものをアップしたのがはじまり」だったそうだ。

 「ネット上で人気を集めれば、デビュー作がいきなりベストセラーになることも珍しくありません。普段から漫画を描いていなくても、エッセイ漫画であれば絵日記のような感覚で描けるので、これからも描き手の数はどんどん増えて、そこから新たなヒット作も生まれていくと思います」と山崎氏は期待を寄せる。

 スマートフォンの爆発的普及により利用者が増え続けるSNS。ここで求められるコンテンツは、すきま時間でも楽しめる気軽さや共感性が重要と思われる。1回のボリュームが少なく身近な話題を描いたエッセイ漫画はこのあたりの需要をうまく捉えているのかもしれない。今後ますます躍進しそうなジャンルだ。

 

「ピクシブエッセイ」創刊ラインナップ

 創刊ラインナップは6作品。すべて無料で毎週月曜日に更新予定。
※各作品により更新頻度は異なります

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「ピクシブエッセイ新人賞」応募受付スタート

「ピクシブエッセイ」創刊にあわせ、コミックエッセイのジャンルで新たな才能を発掘する新人賞も開催される。

 

◆「ピクシブエッセイ新人賞」概要
募集テーマ:作者の日常体験をベースにしたエッセイ風漫画
応募期間:6月13日(月)~7月31日(日)23:59
各賞と特典:
・大賞 賞金10万円
・入賞 賞金5万円
・受賞作はすべて「ピクシブエッセイ」にて連載&書籍化

※詳細はピクシブエッセイ新人賞ページにて

ピクシブエッセイ新人賞