ネットで出会って30分で結婚を決意! 完全実話結婚ストーリーに見る、「スピード婚」の秘訣とは?

恋愛・結婚

更新日:2016/8/12


『ネットで会って30分で結婚を決めた話』(れのれの/秋田書店)

 恋人が「結婚相手」として相応しいかを見極めるのに必要な時間はどのくらいだろうか。数年はほしいと考える人が多いだろうが、世の中には、すぐに結婚を決断するカップルもいる。芸能人でいえば、2015年に電撃結婚を果たした、俳優の山本耕史さんと堀北真希さんは“交際期間ゼロ日”。だが、出会いからは6年の月日を要している。どんなスピード婚でも、出会ってすぐにお互いが結婚を意識するような出会いはないのだろうか。

 れのれの著『ネットで会って30分で結婚を決めた話』(秋田書店)は、ネットで大きな話題を呼んだコミックエッセイ。そのタイトルのとおり、おどろくほどのスピードで結婚を決めた作者の実話が記されていた作品だ。「ネットで出会うなんて…」と思ってしまうアナタはだいぶ時代遅れなのかもしれない。だが、ネットで出会ったとしても、どうして出会ってすぐに結婚を決意することができたのだろうか。彼らの結婚までの道のり、そして、結婚後の生活は、面白く、何だか読んでいるこちらまで微笑ましい。

 れのれの氏は、独身時代からBL漫画を読み、BLゲームをすることを趣味とするどこにでもいる普通の腐女子だ。旦那との出会いは、2chの「オタクのメル友募集スレ」。BLゲームにハマったり、ジャンルを問わずに漫画を買い漁って一人で「オタ充」していたが、ハタチをすぎると、周りのオタクが徐々に減っていく…。「オタク語りができなくてつらい…友達がほしい…!」。そう思い、彼女は純粋に趣味の合う友達を探していたのだそうだ。旦那に出会うまでは、結婚願望はなく、むしろ独身貴族に憧れを抱いていたという。

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 一方、旦那は、メール開始直後から、れのれの氏のことを、あまりにも趣味が合いすぎて、「もしかしたら、ネカマかもしれない」と思っていたという。通話した際も、ハスキーボイスでどちらか分からない。趣味が合うからどちらでも構わないが、結局実際に会うまで男かもしれないと思っていた。

 実際に初対面を果たしてすぐに、れのれの氏は「この人と結婚しそう」と直感。そして、それは、旦那も同様。「急に変な事聞くけどさ…結婚って興味ありますか…?」と聞かれ、「え! 私も会った瞬間思ったんですけど!」「えッ…じゃあ結婚します!?」という流れとなり、初対面でまさかの婚約となった。

 だが、オタク同士の結婚ともあらば、大切なことがある。その場でれのれの氏が確認した結婚相手としての条件は、「あなたよりもBLが好きでも大丈夫ですか?」ということ。そんなとんでもないお願いに旦那は「もちろんだよ」と即答。「正直オレもゲームしている時は絶対に君を構えないし、むしろありがたい」。そう言われて、無事、結婚を決意することができた。その後、何度か会ったが、山梨と石川の遠距離だったこともあり、結婚までに会った回数は8回。結婚後もふたりは、「オタ充」な生活を送っているというのだから、なんと羨ましいことだろうか。

 ふたりの出会いから結婚までの素早さをみていると、何だか勇気づけられる気がする。「出会いがないから結婚なんてできないだろうな」とあきらめるのははやいのかもしれない。好きなことを好きで突き進んだ先に出会いは待っているのだ。きっとそうだ。そうだと信じて突き進んでみよう。結婚に悩む人ばかりではなく、一人、オタ充な生活を送るすべての人に読んでほしい1冊。

文=アサトーミナミ