「ジブリの色彩においての心臓でした」ジブリを支えた“色職人”保田道世氏の訃報に悲しみの声続々 半生を記した一冊にも注目が集まる
公開日:2016/10/18
スタジオジブリで色彩設計の責任者を務めていた保田道世氏が、10月5日(水)に77歳でこの世を去った。長年にわたりジブリ作品を支えてきた人物だけに、「この方がいなくなったらジブリ作品の色彩はガラッと変わってしまうんじゃないかな。でも長い間お疲れ様でした」「大変にショックで、言葉が見つかりません。保田道世さんはジブリの色彩においての心臓でした」「いきなりのニュースにまだショックが…。この方の色彩で彩られた作品で多くの感動を頂きました」と、日本国内だけでなく海外からも保田氏の死を悼む声が多く上がっている。
保田氏はこれまで公開されてきた多くのスタジオジブリ作品で、キャラクターの表情や服の色を決定する色彩設計を担当。また責任者として、1984年に公開された「風の谷のナウシカ」以降、「火垂るの墓」や「となりのトトロ」「もののけ姫」などの歴代のジブリ作品に携わってきた。宮崎駿が“戦友”と呼ぶほど監督からの信頼が厚く、体力的な問題から「崖の上のポニョ」で一度はアニメ界を退いたものの、宮崎の熱烈なオファーを受け、2013年に公開された「風立ちぬ」で特別に復帰した。
1997年に発売された『アニメーションの色職人』は、保田氏の35年にわたる職人人生が綴られており、色の決め方や他スタッフへの指定など、制作現場から見たもう1つのアニメ史とも言える本となっている。今回の訃報を受けて再注目する人が続出しているようで、現在Amazonでは「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定」状態にまでなっている(10月14日付)。同誌のレビューには「プロとはこういう人を言うのですね」「職人魂を曲げず、作品にすべてを捧げてきたスタジオジブリの色職人・保田道世さんの半生を描いた1冊」「仕事に対するプロ意識に共感と尊敬と憧れの気持ちを抱き、最後まで一気に読みました」と絶賛の声ばかりが上がっている。
宮崎駿、高畑勲と並びジブリを支えた保田氏の仕事をこの本で感じてみよう。
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