理系男子がパパになったら? 子どもは観察対象、理系の知識でウイルスを撃退…。理系パパ10人のリアルな育児!

出産・子育て

更新日:2016/11/15

『理系パパ ひとクセあるけど憎めない、理系なパパ10人のリアル育児まんが』(高世えり子/マイナビ出版)

「理系男子」と聞いて、何をイメージするだろうか? 筆者は、理系男子に囲まれてきた(家族の男性は全員理系!)。白衣を着て研究室にこもっていた友人のことや、仕事について一生懸命説明してくれても1割も理解できなかったことなど、様々なエピソードが頭に浮かぶ。真面目で論理的であるがゆえに、女性に対する気持ちがうまく伝わらない、なんていう話も耳にしたことがある。

理系パパ ひとクセあるけど憎めない、理系なパパ10人のリアル育児まんが』(高世えり子/マイナビ出版)では、そんな理系男子を夫に持つ著者が、理系パパ10人の子育てエピソードをユーモラスに描いている。

“こだわり”の差が激しい!

 理系パパは、こだわるところ、そうでないところの差が激しいらしい。そして、自分の興味があるものに対しては、驚くべき行動力を発揮する。その代表的なものが「家電」。電器屋への買い物には非常に積極的、誕生日プレゼントにiPodをリクエストしたら、ソッコーで買ってきた(でもアクセサリーだと1か月以上かかる)、など、微笑ましいエピソードもある。が、なかには、家電を買う前に必ず、スペックや欠点などの大量の資料を渡してくるという面倒なケースもあるらしい…。

advertisement

 他にも、おむつのゴムや吸水性を細かくチェックしたり、育児グッズをひたすらネットでリサーチしたりと、とにかく気になることは徹底的に調べる。この時、「いつまでに必要なのか」という概念は、どこかへ行ってしまうようだ。

子どもは観察対象!

 理系パパに共通する特徴のひとつが、子どもを観察対象として見ている、ということ。特に、言葉を話すようになると、予測できないところで質問されることにワクワクするそう。その質問に対して色々な答え方をして、子どもの反応を見るのが、たまらなく楽しいらしい。

「なんで?」と聞かれても答えを教えず、ひたすら聞き返すパパ、あり得ないことを仮定して質問を返すパパ、正解だが子どもには分からないであろう回答をするパパ、超テキトーな回答をするパパなど、実にユニークだ。奥さんに怒られることもあるが、理系パパなりに子育てを楽しんでいる様子がうかがえる。

理系の知識でウイルスを撃退!

 理系パパが専門知識を存分に発揮する場面、それは子どもがウイルス性の病気にかかってしまった時だ。例えばノロウイルスに感染してしまった場合。そんな時は理系パパの出番だ。できるだけ安全に吐瀉物を処理するために、いくつかおすすめアイテムがある。まずは、お椀。洗うのがラクなので、子どもにはお椀に吐かせる。処理する側は、ビニール手袋かゴム手袋が必須。手袋をつけて、すぐにお椀を水で洗い流そう。

 ノロと聞くと、とにかく消毒!と思いがちだが、まずは一刻も早く吐瀉物を水で洗い流すことが大切だそう。他にも、ウイルスを体内に入れないための徹底的な対策が数多く紹介されている。インフルエンザの場合も、ウイルスの特徴に合った対処法がある。理系パパのアドバイスを取り入れれば、今年の冬は安心して過ごせそうだ。

 生活に役立つ知識は豊富だが、柔軟性には若干欠ける傾向がある理系パパ。毎日一緒にいたら、きっとイライラして怒ってしまうこともあるだろうけれど、なんだか憎めない。だって、彼らはいつも一生懸命だから。それは子どもにも伝わるだろうし、実はとってもいいパパなのかもしれない。そんな気持ちになる一冊だ。

文=松澤友子