「でも」の代わりに「◯◯」を使う“思考グセ”で人生が変わる!? スタンフォード大学超人気講座「dスクール」の内容とは?

ビジネス

2017/2/1

『スタンフォード大学dスクール 人生をデザインする目標達成の習慣』(バーナード・ロス:著、庭田よう子:訳/講談社)

 いよいよ始まった2017年。年の初めというのは「自分を変える!」闘志が不思議とメラメラわいてくる時だ。自己改革に取り組むなら、まさにこの波を逃しちゃいけない。とりあえず近場の本屋で、取り組みやすそうな自己啓発本をチョイスすることからはじめるのもいいだろう。とはいえ問題なのは種類が多すぎること…そんなときは人気のもの(今ならアドラー心理学系など)を選ぶのももちろんアリだが、これまでの知識を「俯瞰」した上で提示しているという意味では、最新版のメソッドに注目するのもいい。

 そんな最新版メソッドとして注目なのが、『スタンフォード大学dスクール 人生をデザインする目標達成の習慣』(バーナード・ロス:著、庭田よう子:訳/講談社)。最新の世界大学ランキングで2位に輝いたスタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所(通称dスクール)の人気講義のメソッドを紹介したという一冊だ。ユニークかつクリエイティブな人材を多く輩出しているdスクールは『ウォール・ストリート・ジャーナル』で「大学院課程で一番人気」ともいわれており、慶應のSFCや東大のモデルにもなっているとか。

 そんなdスクールで学ぶのは、問題解決のために「デザイン」を意識的に考え実践するといった「デザイン思考」。dスクールの創設者の一人であり、アカデミック・ディレクターである著者によれば、本書の場合はタイトルにもある通り「人生」そのものを対象にしており、デザイン思考を応用し、人生の目標をいかに達成するかを従来とは異なる考え方で捉え、実際の「行動」につなぐことを目指しているという。

 一体どんなメソッドか気になるところだが、中身をみてみると「第1章 固定観念はあてにならない」「第2章 理由なんてナンセンス」「第3章 こだわりを捨ててみよう」といったように比較的親しみやすい雰囲気。全10章で構成されているが、実際どれも豊富な実例で段階的に丁寧かつ論理的に解説されているのでわかりやすい。

 中でも興味深いのは豊富な思考訓練のエクササイズだろう。たとえば「第6章 言葉に気をつける」では、多くの人は「そして(and)」ではなく「でも(but)」を使うクセがあり(例:映画に行きたい。でも仕事がある)、本来は相反しないものの間に勝手に「葛藤」を作り出すという。つまり接続詞の使い方ひとつで感情が左右されてしまうわけで、実際にそこで紹介されるエクササイズ(次に5回「でも」を言ったと気づいたら、頭の中で「そして」に変える。そのときどんな気分になるか、違いに注目すること)を実践してみると、単純ながら少々ハッとさせられる。いわばこうしたエクササイズが自分の思考の「クセ」を客観的にみつめるきっかけになるわけで、それを踏まえて意識的に思考を「デザイン」していけば、著者のいうように自分の人生をコントロールすることにつながるし、「現実」も変わっていくというわけだ。

 もちろんエクササイズを飛ばしながら読んでもOKだが、どうせなら内なる自分と対話しながらやってみれば、新たな自分がみえてくるかも。とにかく世界でも有数の大学の人気講義をわずか2000円足らずで、しかも自宅で受けられるなんてお得な話に違いない。自分への「お年玉」と思って、まずはチャレンジしてはどうだろう。

文=荒井理恵