「卵子提供で1男1女の母親に」―子供に出生の経緯を伝えるための言葉を綴った“家族の物語”

出産・子育て

2017/3/31

 卵子提供で母親になった著者が、子供にテリングする(出生の経緯を伝える)ための言葉をつづった絵本『ずっと これからも―卵子提供で家族になった物語』が2017年2月20日(月)に発売された。

 近年、テレビなどのメディアで「卵子老化」「卵子提供」が不妊治療や社会的トピックとして取り上げられている。厚生労働省の調査では、2011年の出生児のおよそ25%は母親が35歳以上のいわゆる高齢出産。晩婚化・晩産化が続いている現在、妊娠を望む女性の卵子やその他不妊理由により、最後の手段として卵子提供を選択するカップルが増えているという。

 卵子提供で出産に至った数を把握するのは容易ではないが、晴れて父親・母親になった後、課題となるのは「子供に告知するか」や「どうやって伝えたらよいか」。「子供の出自を知る権利」については、ヨーロッパなど、子供がドナー(卵子提供者)の情報にアクセスできる権利を認める国が増えてきている。海外の調査では、子どもが小さい時から、親が子どもに出生の経緯を伝えることがよいとされていて、日本でも意識の変化が見られているそう。

 著者の早坂バジルは、米国で卵子提供を受け、1男1女の母親になった当事者だ。やさしい言葉と穏やかな絵の同書は、子どもが「赤ちゃんはどうやってできるの?」と尋ねるところから始まる。手に手を取って親子で歩み出すラストは静かな感動と希望を与えてくれるだろう。

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 絵本は読み聞かせと、子供自身が読むためのもので、親子に向けた「テリングの解説書」も付いている。解説は、リプロダクションや生殖技術、不妊治療を専門とする静岡大学教授・白井千晶によるもの。卵子提供に不安や迷いを抱えている人は、同書を参考にしてみてはいかがだろうか?

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